ベトナムやネパールの外国人労働者が増加! 背景と課題とは

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東京都では外国人労働者が昨年(2017年)と比較して18.5%増加し、特にベトナムとネパールの伸びが顕著です。
外国人労働者が増加している状況とその理由をまとめるとともに、「留学」の在留資格で働く外国人が多い「資格外活動」のあり方についても考察します。

街中の店舗の接客で見かけることが普通になった、外国人労働者

東京労働局の調査では、2007年に外国人労働者の届出が義務化されて以来、その数が増え続けています。
東京都の外国人労働者数は2017年10月末時点で39万4834人となっており、これは前年比18.5%増で、毎年最多を更新し続けている状況です。外国人を雇用する側の事業所も前年比13.1%増、5万4020ヵ所と過去最多を更新しています。東京都の特徴としては、1万2301ヵ所の「卸売・小売業」と1万894ヵ所の「宿泊・飲食サービス業」といった2つの業種で全体の4割を超えることです。工場など製造業に従事することの多い他県とは違って、接客に携わる例が多くなっています。事業規模でも、30人未満が6割近くを占めています。

実際、飲食店やコンビニなどで接客するスタッフとして外国人、特にアジア系の人たちを見かけることが、ごく日常的になっているのではないでしょうか。ある大手コンビニでは都内店舗で働くアルバイトの2割が外国人と言います。また、別の大手コンビニでは留学生数アルバイト数を国籍別に把握しており、その上位は中国・ネパール・ベトナムで、8000人以上いる外国人アルバイトの8割強が、この3ヵ国からの留学生だということです。

前述の東京労働局の調査では、東京都の外国人労働者数は全国の約3割を占めます。国籍別では多い順に中国14万5004人、ベトナム6万566人、韓国3万2014人です。そして、前年比増加率で3割程度と高い伸びを見せているのが、ベトナムとネパールとなっています。

学生を増やしたい教育機関が、非漢字圏へも勧誘を積極化

外国人労働者
外国人労働者が増えている背景には、日本の少子高齢化による労働力不足があります。そのため、もともとは新興国に技術、技能を伝えて支援する主旨であった「技能実習生制度」も、企業が労働力をより低廉に確保するために利用される傾向が見られます。外国人に労働力を求める中で、昨今増えているのが「留学」の在留資格で、アルバイトなど「資格外活動」の許可を受けて働く事例です。

日本政府は2008年に「外国人留学生30万人計画」を策定し、留学ビザの発給要件の緩和など後押しを行っており、それを受けて日本への留学がブームとなっています。外国人留学生の数は、2017年5月時点で26 万 7042 人で、前年比11.6% 増でした(日本学生支援機構発表)。
国籍別では中国が 10 万 7260 人と40.2%を占め、次いでベトナムの6 万 1671 人(23.1%)、そしてネパールの2 万 1500 人( 8.1%)となっており、外国人労働者数と似たような構造が見られます。ベトナム、ネパールからの留学生が増えているのには、日本との経済規模や技術力の格差に加え、日本の専門・専修学校などが学生募集のために中国・韓国などの漢字圏だけでなく、非漢字圏である国々からの勧誘も積極化している影響と思われます。

留学生が日本の社会に馴染むチャンスでもある「資格外活動」

外国人留学生は「資格外活動」の許可を得ていれば、週28時間まで、また、学校の長期休暇期間中は週40時間まで就労することが可能です。
このような制限があるのは、もちろん留学の目的である学業に専念してもらうためです。「資格外活動」の許可を得ないで、あるいは制限を超えて就労した場合、その留学生は強制退去かビザの更新不許可となるため、日本での留学が続けられない、もしくは卒業後の進路内定が決まっていても在留できず取り消しとなってしまいます。雇用主の側にも3年以下の懲役、300万円以下の罰金のどちらか、または両方が課されるという罰則が設けられています。また、雇用主には企業だけでなく、店長など人事責任者個人も罰則対象と見なされるなど、雇用する側は現場も含めて法令遵守に則って労務管理を行うことが求められています。

「資格外活動」自体は規定時間内であれば、留学生にとって日本の社会や文化に馴染む機会であり、将来日本で就労して経験を積むための良い準備にもなります。但し、現地の経済環境や賃金が下回るベトナムやネパールからの留学生に言えるのは、そもそも来日する時点で借金をしてくる例が少なくないということです。その借金の返済や母国より物価の高い日本での生活や学費のために、「働きながら学ぶ」という留学傾向が当たり前になっているとも言われています。それが、労働力不足に悩む日本の就業現場のニーズと合致すれば、お互いに良いのですが、週 28 時間を超えるようなことがあってはなりません。

また、非漢字圏であるベトナムやネパールからの留学生や外国人労働者にとっては、日本語の会話能力では引けを取らなくとも、読解や論述能力の習得に要する時間が漢字圏の出身者より長く掛かるため、高いスキルを求められる仕事への就労や日本の高等教育機関への進学がより難しいとされます。

とはいえ、ベトナムやネパールからの留学生や就労者は着実に増え、コミュニティーも築かれつつあります。労働力として貴重であるのは確かですし、技能ビザによって料理店などで働くネパール人が、将来の独立を見込んで配偶者を家族滞在ビザで呼び寄せる例が増えているという話もあります。彼らが日本社会に溶け込みながら増えていくことは、今後の日本にとってプラスになるという期待が持てます。

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