未来投資会議でも注目されたESG投資とは? 新たな投資の指標に

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2018年6月に安倍首相が議長を務める「未来投資会議」が開催され、その会議の中で「ESG投資の増加」が注目されました。ESG投資は新たな投資の指標になるとまで言われています。

そこで今回は、ESG投資とは何か、ESG投資の一般的な評価項目やESG投資が増加している理由は、などについて詳しく解説していきます。

ESG投資とは何か?

ESGとは、企業を財務面以外の項目から分析する尺度のことです。具体的には、それぞれのアルファベットは以下の意味を持ちます。

・E:環境(Environment)
・S:社会(Social)
・G:企業統治(Governance)

要は、「いくら儲かっているか?」という点だけでなく、その企業が会社活動を通じて地域社会や国際社会に、どのくらいの付加価値を提供したかを見る指標がESGというわけです。

従来は、業績と株価のバランスから「この株価は割安かどうか?」と判断することが多く見られました。しかし、ESG投資はそれ以外の要素で判断することになり、いくら業績や上記の指標が良くてもESGに配慮していない企業は投資の対象外となります。

逆に言うと、企業価値を上げたいのであれば、ESGに取り組まないと厳しいということです。そのため、冒頭のように「ESG投資は新たな投資の指標」となると期待されています。

ESGが注目されている背景と市場規模

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次に、ESGが注目されている背景と、2018年6月時点で、どのくらいの規模まで膨れ上がっているかという点について解説します。

ESGが注目されている背景

まず、ESG投資は欧米を中心に拡大しました。その理由は、そもそも欧米では「ESG(環境、社会責任、企業統治)投資は善である」との認識があるからです。特に、富裕層の個人投資家は社会的に悪影響を及ぼす企業を排除する考え方が一般的にあります。

このような考え方が、日本にも徐々に広まりつつあり、そのため、個人投資家も機関投資家も企業に投資するかを選別する際、ESGの観点も取り入れ、それにより企業もESGへの取り組みを本格化したという流れです。

市場規模

ESG投資は2006年に責任投資原則(PRI)が、国連の支援で策定されたことから始まっています。そして、2018年6月では世界1900以上の年金、保険、運用機関などがそれに署名しており、資金量は70兆ドル(約7700兆円)超のお金が集まっていると言われています。

その中でも、日本関連で最もインパクトがあったのは、世界最大の年金機構であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がESG指数を採用したことです。GPIFは160兆円以上の資産を保有しており、日本の株式市場ではクジラと呼ばれています。

GPIFは、その資金量からGPIFが投下した銘柄は株価に大きなインパクトを与えるため、市場では常に注目されている存在です。そんなGPIFが、国内株式の3%程度(約1兆円)を組み入れたESG投資を始めている点は非常に注目されています。

当然ながら、ほかの機関投資家や個人投資家もGPIFを無視することはできないので、ESG投資に興味がなかったとしても、GPIFがESG投資を組み入れたのであれば注目せざるを得ません。

ESGの評価項目とは?

さて、そんなESGはどのような項目で評価されているのでしょうか。それぞれ具体的な評価項目の中身を見ていきましょう。

E:環境(Environment)

環境に関する評価項目は以下の点になります。
・地球温暖化対応(低炭素)
・資源効率性
・水資源保護
・生物多様性
・製品配慮の視点

上記はかつての日本も公害問題によって企業活動のあり方が問われた項目ですが、地球温暖化対策をはじめ、世界的に再び注目されている項目です。

S:社会(Social)

社会に関する評価項目は以下の点になります。
・女性の活躍
・従業員の健康
・従業員への公平な分配
・従業員の両立支援
・人材育成体制
・社会貢献性

日本では働き方改革とマッチする項目が多いため、より注目されているところです。特に、上記の項目に配慮しないと優秀な人材の獲得や保持が難しいため、結果的に企業の収益性は落ちていくことになります。

G:企業統治(Governance)

企業統治に関する評価項目は以下の点になります。
・情報開示
・企業統治(取締役の構成)
・法令遵守体制
・SCM(Supply Chain Management)
・知的財産権の対応

上記に関しても、経産省でコーポレートガバナンスの実務指針(CGSガイドライン)が検討されるなど、どんどん強化されている部分です。このような取り組みはステークホルダーである株主との対話となり、結果的に株主還元や株価のアップにつながってきます。

このように、ESG投資は今後投資判断する上では重要な指標になっていきます。もちろん、従来の収益性を測る指標がなくなることはありませんが、ESGへの取り組みは収益との関係性が高いのも事実です。そのため、投資に取り組むのであればESGに関しての知見は必須となるでしょう。

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