【前編】AIで働き方改革を推進! ホワイトカラーの仕事を変える最先端テクノロジー『目指すは無駄をなくし、人が創造性あふれる仕事に集中できる世界 〜株式会社シナモン〜』

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AI(人工知能)が工場の効率化に役立ち、私たちの生活においても家電などに組み込まれて便利さを感じられる時代になってきました。そして、ビジネスシーンにおいても、利活用が進んでいます。
最先端のテクノロジーを駆使して、AIでホワイトカラーの仕事をもっと楽にし、より向上させようとする取り組みの最前線を、ベンチャー業界で注目を集める株式会社シナモンの平野未来CEOにお聞きします。

日本企業のオープンイノベーションへの転換がビジネスにおけるAI活用を推進

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Q:まず、会社の概要を教えてください。

A: AI(人工知能)に関連する製品を提供しています。ホワイトカラーにはまだまだ面倒な仕事がたくさんありますが、目指しているのは、それをAIに任せて生産性を向上させることであり、人間は人間らしい創造的な仕事に集中できるという社会の実現です。
現在は日本のほかにベトナムに2ヵ所と台湾に人工知能ラボ、アメリカにマーケティング拠点を持ち、従業員130人の内、60人ほどが高度なAI人材となっています。

Q:どのようなきっかけで、そのような事業を始められたのでしょうか。

A:学生時代から、インパクトの大きいことをやりたいと思っており、「人類の進化の幅の最大化」を人生のテーマとしてきました。エンジニアとしての研究がIPA(情報処理推進機構)の「未踏ソフトウェア創造事業」に2度採択されたこともあり、在学中から起業を果たしました。それでも色々と事業を行う中で、2005年頃にAIを扱った時にはまだ時期が熟しておらず、事業転換も経験しています。

シナモンも、2012年の創業当初はアプリ制作を行っていて、シンガポールを拠点に、東南アジア市場をターゲットとするインスタグラムやスナップチャットのような、写真チャットアプリを開発・運営していました。それが、当初計画したようには事業が成長せず、日本に戻って事業を一から立て直すことになって、IT系の受託ビジネスを企業に働きかけていたのです。そんな時に、お客様から良い反応を得られたのが、AIに関連するものでした。2016年頃のことでした。もともと私も、現在シナモンのCTO(最高技術責任者)を務める堀田創も大学でAIを研究しており、その技術や知識のバックグラウンドがありましたので、事業をそちらにシフトさせたのです。

Q:近年、AIへのビジネスニーズが高まっている理由をどのようにとらえておられますか。

A:技術の進化、ハードウェアの進化、そして人々の意識の進化によるものでしょう。その結果、日本の主な大企業にはこの1〜2年で、オープンイノベーション推進室といった組織が設置されています。以前は私たちをはじめとするスタートアップ企業が大企業と仕事をする機会を得ることは難しかったのですが、今はそうした推進室がその企業自身では持ち得ない技術を積極的に探し、導入することをミッションとしています。そこで結果を出せば、さらにステージが広がるという状況になっているのです。

非定型文書でも、高精度に一括読み取りが可能に

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Q:御社の、ホワイトカラー業務を効率化するAI関連製品ですが、どのようなものがありますか。

A: 4つある製品の内、主力を担っているのが「Flax Scanner(フラックス・スキャナー)」文書読み取りエンジンです。請求書や契約書などのドキュメントから文字情報を正確に抜き出し、整理する、AI-OCR(光学文字認識)製品となっています。銀行や保険会社など金融業における契約書類の読み取り、整理や入力作業であったり、製造業における技術文書や設計図面、研究論文などの検索などに活用していただいています。

導入効果としては、200人でやっていた入力作業が150人で済むようになったり、契約書類のレビューを弁護士が数日掛けて行っていたのが5分でできるようになったりなどがあります。

Q:OCR製品には競合も多いかと思いますが、御社製品の特徴や強みはどのような部分でしょうか。

A: 3つあり、まず、読み取る文字情報は手書きでもデジタルでも良いという点です。次に、非定型な文書でも読み込めるという点です。定型というと運転免許証のように全国共通のフォーマットですが、非定型というのは、請求書など会社ごとのフォーマットにも速やかに対応できるということです。通常は項目ごとに上から何センチ・左から何センチなどと位置を指定する必要がありますが、「Flax Scanner」では自動で位置を読み込こむことができるため、指定を行う手間が掛かりません。

そして、第3に文字列の意味を理解して抽出できるという点です。例えば、ある金融系企業の契約書は1セットが400ページほどもありますが、そこから弁護士が論点を100ほど抽出した情報をもとに関係者で議論を行います。その論点を把握した抽出が自動で行えるので、短時間でリスト化して速やかに議論に入れるよう改善ができました。また、不動産業で大量の賃貸契約書がある時に、次回更新時期をチェックするのも自動で行えます。契約書上に日付だけでも複数あるので、どれが更新時期を示す情報なのかをAIが理解できなければなりません。そうした優位性が当社製品の特徴です。

Q:そのほかの製品についても教えてください。

A:ユーザーと商品情報をマッチング及びレコメンドする「Lapis Engine(ラピス・エンジン)」、自然言語に対応したチャットボット「Scuro Bot(スクロ・ボット)」、そして、音声認識ソリューションの「Rossa Voice(ロッサ・ボイス)」があります。

特に音声認識については、世界の先進的なIT企業も技術を有してはいますが、製品は基本的に汎用的なもので、企業のビジネスシーンにそのまま活用できるレベルではありません。当社製品では、業界や当該企業における専門用語や独特な表現を事前学習させることにより、精度を高めての提供実現が可能となっています。学習データとなる会議や電話での音声データとそれに対応する文字データの質や量により、精度はますます高めることができると言えます。

後編では、ベトナムなど海外における展開を、引き続き平野未来CEOにお聞きします。

(プロフィール)

株式会社シナモン
代表取締役CEO
平野 未来

シリアル・アントレプレナー。東京大学大学院修了。レコメンデーションエンジン、複雑ネットワーク、クラスタリング等の研究に従事。2005年・2006年にはIPA「未踏ソフトウェア創造事業」に2度採択された。在学中にネイキッドテクノロジーを創業。iOS/Android/ガラケーでアプリを開発できるミドルウェアを開発・運営。2011年に同社をmixiに売却。2012年に前身となるSpicy Cinnamonをシンガポールに創業、2016年から現職。

株式会社シナモン
http://cinnamon.is/

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