【後編】AIで働き方改革を推進! ホワイトカラーの仕事を変える最先端テクノロジー『AI人材不足をベトナムで解消? コスト削減ではない海外進出 〜株式会社シナモン〜』

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株式会社シナモンは、AI(人工知能)の最先端技術で、ホワイトカラーの生産性向上を目指しています。
前編では、AIに着目して製品を世に送り出すまでのいきさつや、AI-OCR製品など同社の特徴あるソリューションについて伺いました。後編では、ベトナムなど海外における展開を、引き続き平野未来CEOにお聞きします。

優秀な学生が情報系に進み、プログラマーを目指すベトナム

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Q:海外拠点の状況について、教えてください。

A:ベトナムに2ヵ所と台湾に人工知能ラボがあり、アメリカの拠点はマーケティング部門となっています。ベトナムと言うと、コスト削減を目的としたオフショア開発の委託先として考えられることが多いようですが、当社では現地採用で優秀なエンジニアを多数獲得しています。2012年の創業時からベトナムにチームを持っていました。実は私が当時、シンガポールに移住を検討していて、たまたまユーザー調査で訪れたベトナムに運命を感じてしまい、ビジネス拠点としての可能性を模索したところ、当地のエンジニアが大変優秀だと分かったのです。

日本では優秀な理系人材は医学部に進むことが多いですし、東京大学で情報科学系を専攻する学生は1%程度です。それがベトナムのハノイ工科大学などでは、約3割が情報科学系を専攻と、厚みがぜんぜん違います。また、そうした優秀な学生にとって、プログラマーになって外資系企業に採用されるのがステイタスなのです。

Q:ベトナムでの現地採用や事業展開はスムーズでしたか。

A: ほかの東南アジアの国に比べればスムーズであったかと思いますが、やはり異文化コミュニケーション的な難しさは伴いました。これは東南アジア全般に言えることですが、自分の時間の対価として給料を得るという意識が強く、仕事へのモチベーションとして、やりがいや熱意といったものがおざなりにされがちな傾向があります。特に、ベトナムで採用を始めた当初は人材を選ぶどころではなく、採用したチームの全員が給与交渉のほうに熱心というあり様で、3ヵ月後には一旦解散して採用をしなおしたりもしました。

Q:その後はいかがですか。

A:採用する人材の底上げと同時に、会社のビジョンをきちんと説明することを続けた結果、AIの会社としてベトナムではかなりブランディングに成功していると思います。今はエンジニアを中心に、年間100人ほどをベトナムで採用しています。

技術者や研究者というのは、ものすごく優秀な人、リスペクトできる先達についていきたいという気持ちが強い方々です。幸い、当社にはCTO(最高技術責任者)の堀田創をはじめ、AI分野で際立ったメンバーが多くおりますので、それが吸引力となってさらに良い人材が集まってくるという循環ができています。

その結果、AIエンジニアは現在約75人です。2022年にはこれを500人にという目標を掲げており、これが実現すればまさに世界一のAI会社になれると考えています。

ホワイトカラー業務の55%が今後自動化される!?

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Q:世界中の多くの企業が求めるようなAI人材が大量にいるのは、大きな強みですね。

A: もうひとつ、当社の強みと言えるのが、海外市場で実際に戦えるスタートアップ企業である点です。経営陣は皆、海外でのマネジメント経験を持っており、160人近くのメンバーの内、日本人は30数人と少数派で、社内の共通言語は英語ですから、環境は整っています。

実際、海外拠点の内、ベトナムと台湾は人工知能ラボであり、市場は日本でしたが、2018年の夏からアメリカにも営業拠点をつくり、展開を始めました。手応えを感じたのが、10月にラスベガスで開催された「InsureTech Connect 2018」という世界最大規模を誇る保険業界のカンファレンスで登壇した際の、現地での反応です。当社のAI-OCR製品の非定型文書の読み取り機能というのは、ほかではなかなか実現できない優位性ですが、日本と同様、アメリカにおいても「この技術を求めていた」という声を多数いただけたのです。

アメリカはシリコンバレーをはじめ、スタートアップ企業が続々と生まれ、新しいテクノロジーは無数です。大方のニーズはもう満たされている印象でしたが、業務自動化のような業務プロセス改善においては、ある意味でむしろ日本の方が進んでいるのかもしれないと感じました。

Q:それは、どのようなことでしょうか。

A:日本は世界に比べ、ホワイトカラーの生産性が低いと言われています。だからこそ、その点を解決するテクノロジーが、世界から見れば最強となり得るということです。
ホワイトカラー業務の自動化にポテンシャルのある国ランキングで、日本は1位です。現在ある労働の内、約55%が今後自動化されると言われますが、これは他国よりも高い数値です。日本はまだまだこうした非生産的な状況であるため、私たちの製品のような生産性改善を推進するプロダクトが利用されるケースが増えてきています。新たなAI活用製品を考える時には、その日本が一番の場所なのです。

Q:日本とアメリカでビジネスを行っていて、何か違いを感じられますか。

A:日本では何かソリューションを導入しようという時に、それまでのオペレーションを変えずに、カスタマイズで対応させることが多いという傾向があるようです。アメリカでは導入に際して、ソリューションに合わせてオペレーションを変える柔軟性やいさぎよさがあると感じます。
ビジネスシーンにおけるAIやRPAの活用は今後もさらに進むでしょう。実際に導入して効果が現れていますから、加速度的に広がると思われます。その際には、日本でも組織や運営のあり方を柔軟に変えられるよう、意識改革に努める必要があるかもしれませんね。

Q:御社の今後の展望を教えてください。

A:世界中のホワイトカラーの面倒な仕事をAIに任せて失くしてしまう、という未来像に関しては、達成率はまだまだです。それに近づけるために、まずは製品ラインナップを今の4つのほかにもつくっていかなければなりません。また、現在使っていただいているのは大企業がほとんどですので、より導入しやすいパッケージなどを考えて、中小企業にも普及を進めていきたいです。

AI活用製品の海外市場としては、アメリカが日本の3倍、中国が4倍と見ています。ニーズが明らかで、PoC(概念実証)を始めたところなので、まだ当社に優位性があると思われるアメリカ市場にまずは注力し、少しでも多くのシェアを確保したいと思っています。

経済産業省と東京証券取引所が共同で選ぶ「攻めのIT経営銘柄」に2017・2018年と連続して選定されているレオパレス21では、様々なデジタル技術の活用において業界の先駆けとなるような取り組みを実施し、社内改革に日々努めています。AIによるホワイトカラー業務の効率化にも配慮しながら、さらなる生産性の向上を目指します。

(プロフィール)

株式会社シナモン
代表取締役CEO
平野 未来

シリアル・アントレプレナー。東京大学大学院修了。レコメンデーションエンジン、複雑ネットワーク、クラスタリング等の研究に従事。2005年・2006年にはIPA未踏ソフトウェア創造事業に2度採択された。在学中にネイキッドテクノロジーを創業。iOS/Android/ガラケーでアプリを開発できるミドルウェアを開発・運営。2011年に同社をmixiに売却。2012年に前身となるSpicy Cinnamonをシンガポールに創業、2016年から現職。

株式会社シナモン
http://cinnamon.is/

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https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0530_2511.html

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