【後編】適正賃料はAIが決める!? 新たな賃料査定システムとは『働き方改革も推進!  導入による多様な効果と期待』

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レオパレス21が業界に先駆け導入している、AI(人工知能)を活用した賃料査定システムについて、前編では導入推進の背景や現況を伺いました。
後編では引き続き、全社横断で先進技術の採用に取り組むコーポレート業務推進第1部賃貸関連業務推進課の大塚雅人課長(写真右)、田所直樹係長(写真左)と、データを取り扱う情報システム部システム統制室データ統制課の醍醐大課長(写真左から2人目)、そして賃料査定を担当する賃貸事業部予算管理部募集家賃管理課の樋渡正伸課長(写真右から2人目)に課題や今後の展望を伺います。

意思決定の「サポート役」としてのAI活用

賃料査定システム
Q:システムを導入するに当たり、どのような課題が考えられましたか。

樋渡:どのように賃料査定AIで算出されたかを、現場の営業担当社員には納得してもらうプロセスは必要だと考えていました。そうした課題感に対して算出根拠となる内容が、ある程度理解できるようにシステム構築に向けて進めてきました。

醍醐:今回の賃料査定AIに関しては、適正賃料を算出することを目的としていますが、正解そのものを求めるだけではなくて、意思決定するためのサポート役として活用すべきと考えています。査定する際に色々なことを調べたり感覚に頼っているところを、ある程度システム化して業務を省力化、効率化させつつ正解に近づけることが目的と考えていました。つまり値付けの過程に例えれば、10割までではなくても8割までAIがやってくれるから、人間がやるのは2割で良く、8割分が短縮できるといったことです。現在は運用を始めて1年というところですから、改善を重ねていく段階と捉えています。

Q:実際に運用を始めて、改めて気づいた部分はありますか。

醍醐:データが自動学習によりどんどん推移していきますので、どの時点のデータを使うのかといった運用ルールに留意が必要と考えています。
ある物件でAというタイプの部屋が同じ階層にあったとして、101号室の査定作業を行い、その翌日に102号室の査定作業を行ってみるとデータが学習により変わっていて、同じタイプ、階層の部屋なのに査定額が違ってしまうという可能性もあるわけです。ですから、例えば月初めにつくったデータで、その月の間は値付けをしていくといった運用ルールは、今後決めていく必要があると感じています。

田所:当社は不動産業界で初めて「全国」の物件に対して、AIで賃料査定していくシステムを導入、運用したわけですが、最初から「全国」での運用は簡単ではないと感じていました。ですので、今回も2016年秋のプロジェクト開始から、まず東京都内において、ある程度データを成熟させ、それを他地域に横展開する形で対象エリアを拡大していきました。

現場社員の時間外労働時間減少で、働き方改革の施策としても寄与

賃料査定システム
Q:今後、高めていきたい方向性などはありますか。

醍醐:野球やサッカーのチケットなどで、需要に応じて価格を設定するダイナミックプライシングなどが始まっていますが、賃料査定においても、シーズナリティによる需要予測というのは考えられるかもしれません。需要予測自体はAIの得意分野ですので。

田所:大学の近くの物件であれば2月、3月の引越しシーズンに向けて需要が増すとか、工場などが新たにできて法人の需要が生まれたりと、時期などによっての変動は考えられるので、何かしらの対応ができればと思っています。

樋渡:個人的な期待としては、例えば五輪や万博による物件需要というのは人間にもある程度見当がつきますが、そうではなく、こちらが予想もしていないようなエリアでの何らかの需要の高まりなどをAIが見つけてくれればと思いますね。

醍醐:将棋などでもAIがなぜこの手を選んだのかは分からないけれど、後で利いてきて・・・ということがありますから、期待できるのではないでしょうか。テクノロジーの進化は目覚ましいですから、必要なデータを取得できる環境が整備されていけば十分可能だと思います。

Q:営業現場に接していて、今後進めるべきという点はありますか。

田所:先程の話ともリンクすることですが、もともとAIの算出方法についてはブラックボックスな部分が多いと思います。現場担当者に対して、分かりやすく根拠を説明できるようなものがあればとは思います。

大塚:それは今、総務省が説明可能なAIの開発に関するガイドラインを取りまとめているので、IT業界のルールとして実施されていくようになると思っています。
そうしたことは、お客様にご理解、ご納得いただくためにも大切なことですから、提供価値の向上という点からも注力していきたいですね。また、現場と本部の賃料の擦り合わせ作業についても、さらに軽減を図るべき重要な案件であると認識しています。実際に現場社員の時間外労働時間の減少も見られ、こうしたAI活用も寄与しているだろうとの自負もあります。全社の働き方改革への貢献に、今後も取り組んでまいります。

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レオパレス21は経済産業省と東京証券取引所が選出する「攻めのIT経営銘柄」に2年連続して選定されましたが、2018年については、このAI賃料査定システムも大きく評価されたポイントとなっています。3年目以降も続けて選出されることを目指して、システムのさらなる精度向上や、他分野への転用、活用などにも尽力してまいります。

(プロフィール)
株式会社レオパレス21
賃貸事業部予算管理部
募集家賃管理課
課長
樋渡 正伸
2003年入社。4年間賃貸営業を経験後、2007年に本社へ異動し現在に至る。

株式会社レオパレス21
情報システム部
システム統制室データ統制課
課長
醍醐 大
2007年8月賃貸事業本部に入社し、本社勤務にて本部業務を経験。2010年7月より情報システム部へ異動後、現在に至る。

株式会社レオパレス21
コーポレート業務推進第1部
賃貸関連業務推進課
課長
大塚 雅人
1996年入社。賃貸事業部所属として新卒当初より各支店を経験。2006年6月より本社勤務にて、借上審査課、賃貸業務部を経験後、2011年5月より 法人営業部業務課に配属。2014年5月よりコーポレート業務推進統括部へ異動後、現在に至る。

株式会社レオパレス21
コーポレート業務推進第1部
賃貸関連業務推進課
係長
田所 直樹
2000年入社。建築営業/賃貸営業それぞれの営業職を経験。2008年4月より本社勤務。賃貸事業部予算管理課にて賃貸事業部の本部業務を経験。2016年5月よりコーポレート業務推進統括部へ異動後、現在に至る。

不動産業界初、全国の管理物件約57万戸を対象とするAIを活用した賃料査定システムの導入開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000458.000005429.html

レオパレス21「攻めのIT経営銘柄2018」に2年連続選定
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0530_2511.html

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