空き家対策の効果も!? 「セーフティネット住宅」に横浜市が家賃補助!

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2018年9月、横浜市は、空き家対策の一環として「家賃補助付きセーフティネット住宅制度」を開始しました。
近年、「セーフティネット住宅」という言葉を耳にするようになりましたが、まだ一般にはあまり浸透していないコンセプトかもしれません。横浜市の「家賃補助付きセーフティネット住宅制度」とはどのようなものなのか、空き家問題の背景を探りながら、横浜市が導入した新しい制度の内容や効果などを見ていきたいと思います。

日本の住宅事情

現在、日本は少子高齢化に伴い、様々な社会変化が起きています。住宅問題もそのひとつです。
具体的には、少子化により人口が減り、さらに地方の若い世代が都市に移っているため地方の人口が減少しています。同時に、地方でも都市でも介護施設などに入居する高齢者が増えているため、それまで住んでいた家が空き家になり放置されるという問題が起きています。空き家を長く放置すると建物が傷み、最後には倒壊して周囲の住人に危険が及んだり、景観や防犯面への悪影響といった社会問題にもつながりかねません。
ところが空き家が増える一方で、住宅を借りたくてもスムーズに借りられないといった現象が起きています。それは若年層の収入減少による低所得層増加で低額賃貸住宅が不足していることと、高齢者や障がい者、子育て世代、外国人などが入居を拒否される場合があるからです。このような事情から低額賃貸住宅の不足は今後も深刻化することが予想されます。

「住宅セーフティネット制度」の導入

セーフティネット住宅
政府はこうした住宅過不足のアンバランスを是正するため、2007年7月に施行された「住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)」をはじめ、「住宅セーフティネット制度」の整備を進めてきました。
この制度は、増え続ける空き家を有効活用するなどして、高齢者や障がい者、子育て世代、低所得者、外国人など住宅確保が必要な人の入居を拒まないで、安全かつ良質な住宅をマッチングさせ低額で斡旋するものです。現在、こうした低額賃貸住宅を必要とする人(住宅確保要配慮者)は全国的に増えているのですが、その一方で公営住宅の大幅な増加が見込めないため、日本各地に存在する空き家を活用して住宅確保要配慮者に住宅を提供することが望まれています。ところが、このマッチングは思ったほど進んでいませんでした。そこで、政府は2017年10月、「住宅セーフティネット法」の一部を改正したのです。新しく盛り込まれた内容は以下の通りです。

・空き家となった物件を賃貸住宅として登録
・登録した住宅の修理など経済面での支援
・住宅確保要配慮者への居住支援(例:スムーズな入居のための情報提供や相談など)

横浜市が始めた「家賃補助付きセーフティネット住宅制度」

新しい内容を追加した「セーフティネット住宅制度」により、空き家を賃貸住宅として登録できるようにしたのですが、それにもかかわらず、物件の登録数が伸び悩んでいるという現実があります。その理由のひとつが空き家を住宅として貸す側、つまり大家となる人が「家賃滞納への恐れ」を抱いていることでした。入居者に経済的な援助の手を差し伸べることについては改正後の「セーフティネット住宅制度」にも織り込まれているのですが、具体的な方法は示されていませんでした。この点に着目したのが横浜市です。

入居者の所得に応じた家賃補助

横浜市は、この「経済的な援助」を、制度として定めることにより具体化したのです。
それが2018年9月に開始された「家賃補助付きセーフティネット住宅制度」です。この制度では、入居者の所得に応じて市が家賃の一部を補助することを明確な金額として提示しています。例えば、これまで空き家だった家を賃貸住宅として出した場合の家賃が月6万6000円だとします。その場合、入居者の所得が月額10万4000円以下だとすると、入居者負担額は家賃の半分以下の3万1000円となり、残りの3万4400円は市の補助で支払われることになります。
入居者の所得が多ければ多いほど補助の額は少なくなります。例えば、所得が13万9000円〜15万8000円の場合の補助は1万8900円です。但し、補助を受けるには次のような内容の条件が定められています。

・賃貸住宅の床面積が最低でも25平方メートルあること
・新耐震基準に適うこと
・本来の家賃と入居者負担額の差額が月額4万円以下であること
・入居対象者の所得が月額15万8000円以下で住宅扶助等を受給していないこと

横浜市は「家賃補助付きセーフティネット住宅制度」の導入に合わせ、セーフティネット住宅の登録数の目標を130件と設定し、この制度を展開しています。

「住宅セーフティネット制度」で気になる点とその対応策

「住宅セーフティネット制度」について「家賃滞納への恐れ」と並んで、空き家の持ち主が抱きやすい不安要素は「入居者による マナー違反やトラブル」や「高齢者の孤独死」などです。こうした問題に対しては、どこの自治体も「居住支援法人」や「居住支援協議会」などの支援機関を設け、その窓口を通じて苦情や悩み相談への適切なアドバイスを行うなど積極的に支援しています。

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横浜市の「家賃補助付きセーフティネット住宅」は、導入されてから間もないこともあり、目標とする130件の登録数が達成できるかどうかはまだ不確定ですが、この制度によって少なくとも家賃滞納の心配は軽減されており、空き家の持ち主の不安も緩和され、住宅確保要配慮者のための空き家登録も増えていくのではないかと期待されています。その結果、家を借りられずに困っている住宅確保要配慮者を支援でき、空き家の有効利用にもなるというどちらにとっても有益な効果が得られ、社会貢献にもつながっていくと考えられます。

その他にも、増え続ける空き家に対し、全国各地で地方自治体と民間団体が協力しながら、空き家の有効活用を実践しています。例えば、東京都空き家コーディネーターに選定されているレオパレス21は、ご相談窓口・専用サイトを開設し、空き家活用案や設計計画などのご相談に対応する他、税理士や弁護士などのセカンドオピニオンネットワークを活用し、社会的起業家と空き家所有者とのマッチングを行うことで、「空き家の新たな利活用モデル」実現をサポートしています。

レオパレス21が『東京都空き家コーディネーター』に選定
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0618_2529.html

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