ノーベル賞の授賞者も提唱! 日本でも導入? 地球温暖化対策のための「炭素税」とは

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炭素税

地球温暖化対策における課題

2018年12月、ポーランドのカトヴィツェにて国連気候変動枠組条約 第24回締約国会議(COP24)が開催され、約200ヵ国が交渉に臨みました。焦点となったのは、2020年から実施される温室効果ガスの削減に関する「パリ協定」の実施ルールです。2週間にも及ぶ交渉の末、「パリ協定」実施のためのガイドラインが採択されました。ただし、一部の項目については合意が得られず、またアメリカが「パリ協定」からの離脱を表明していることなど幾つか問題は残りますが、それでも大きな前進であったと言えます。

日本政府は、2030年までに2013年比で26%のCO2(二酸化炭素)排出量を削減、2050年には80%を削減することを目標に掲げています。「パリ協定」では、目標達成に向けた長期的戦略を各国が提出することになっていますが、日本はまだ議論中であり、提出には至っていません。CO2排出量の削減に向けて、国の内外における様々な取り組みが必要とされています。
以下では、こうした状況の中で重要な取り組みのひとつとなっている「炭素税」について取り上げ、その必要性や効果などについてまとめます。

「炭素税」とは何か

炭素税
「炭素税」は環境税のひとつとして位置づけられ、石炭や石油などの化石燃料を製造・使用する際、それらの炭素含有量や利用量に応じて課税するものです。これにより、化石燃料の利用量を抑え、CO2排出量を抑制すること目指す仕組みです。「炭素税」のアイデアは、2018年にノーベル経済学賞を受賞した米エール大学ウィリアム・ノードハウス教授が提唱したことでも知られています。

「炭素税」は、フィンランドやスウェーデンといった北欧をはじめ、フランスやスイスなどのヨーロッパの幾つかの国、カナダなどで導入されています。中でも世界で初めて「炭素税」の仕組みを取り入れたスウェーデンでは、CO2排出量の削減とGDP成長の両立を達成した先駆事例として位置づけられています。アジアの国々では、シンガポールが2019年から導入する意向を表明しているほか、ベトナム、タイ、台湾において検討が進んでいる状況です。

日本の経済界では、温暖化対策は競争力を弱める可能性が高いとして否定的な考え方がある一方で、温暖化対策を積極的に企業活動に取り込もうとする動きも出てきています。「日本気候リーダーズ・パートナーシップ」は、こうした温暖化対策に積極的な企業によって組織された企業ネットワークで、COP24に先立って2050年のCO2排出ゼロを目指すべきとの提言を発表するとともに、そのための取り組みとしてCP(Carbon Pricing:炭素の価格付け)の導入を訴えました。この背景には、CPを導入することによって省エネ型設備を導入する企業が増えると予想されるため、最新の省エネ技術を有する企業にはビジネスチャンスの拡大が期待できる点などが関係していると考えられます。

環境と経済の両立を目指して

CO2排出ゼロを目指す動きが世界的潮流となっている現在、この流れに乗り遅れることはむしろビジネスチャンスを失い、国際的なサプライチェーンから外れてしまうと危惧する企業も少なくないでしょう。企業側から「炭素税」の導入が提言されたのは、こうした動きに沿ったものと言えます。

「炭素税」の導入は、他のエネルギー課税や自動車税などを含めた総合的な制度設計のもとに進められる必要があります。実施に向けては、政府と企業との協働、さらにはNGOなどによる積極的な関与が公平で透明性の高い運営につながると考えられます。「炭素税」導入のための制度設計については、環境省の中央環境審議会で審議が行われています。また、NGOの「環境・持続社会」研究センター(JACSES)が課税税率や税財政改革の提案が公表するなどしており、今後の動向に注目です。

化石燃料を多く輸入し、依存してきた日本社会では、環境保全と経済発展を対立項として捉えるのではなく、環境保全によって経済発展が促進される仕組みを目指すことが大切です。この先、地球温暖化対策として導入が検討される「炭素税」は、そのためのひとつのメカニズムとなる可能性を秘めています。

レオパレス21でも、環境保全と経済発展の両立に向けて、1軒の家で使うエネルギーを創出エネルギーによって相殺することでエネルギー収支をゼロにするZEH(Net Zero Energy House)対応の住まいづくりや、住宅や生活、エネルギーなどの面からSDGs (Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)への取り組みなどを行っています。

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