分譲マンションで民泊はできない? アパートオーナーにチャンス到来か?

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複数の人が区分所有する分譲マンションでは、管理規約などの理由から、民泊運営が制限されることがあります。一方で、単一オーナーのアパートであればオーナーの裁量によるため、民泊運営のハードルは低めです。
民泊を行う上で、分譲マンションと単一オーナーのアパートの違いについて、それぞれの特性を交えながら解説していきます。

分譲マンションでは民泊禁止が大多数、9割が民泊禁止

分譲マンションでは、現状においてそのほとんどの物件が民泊を禁止しています。それを裏づけるものとして「民泊対応状況管理組合アンケート調査」が、ひとつの参考になります。こちらは、マンションの総合的な調査研究を行う公益財団法人マンション管理センターが2018年に実施したものです。

この民泊関連のアンケート調査は、同センターに登録している管理組合を対象に行われ、回答を得られた管理組合は105組合です。

管理しているマンションで民泊を禁止しているか、許容しているかについてのアンケート調査の結果、101組合(96.2%)が「民泊は全面的に禁止した」と回答しています。一方、「許容した・全面的に許容した」と回答した組合はゼロという極端な結果になりました。それ以外の回答は、3組合が「何も定めていない」、1組合が「そのほか」としています。このことからも、民泊を全面禁止しているマンションがいかに多いかが伺えます。

続いて、「規定方法」についてのアンケートです。この調査では「民泊は全面的に禁止した」と回答した101組合の内、77組合(76.2%)が「管理規約で規定した」、12組合(11.9%)が「理事会で方針を決議した(次の総会に管理規約の改正等をする予定)」、10組合(9.9%)が「総会で方針を決議した」と回答しています。そのほか、2組合は「使用細則で規定した」という回答でした。民泊を全面禁止にするマンションの場合、やはり管理規約や総会の決議などで、明確なルールとして定められていることが分かります。

それでは、なぜ民泊を禁止するのでしょうか。民泊を禁止する理由についても、同アンケート調査にて聞き取りが行われており、主な理由として「騒音やゴミ廃棄などの迷惑行為の懸念」、「防犯・安全面の懸念」、「不特定多数の立入りによるいざこざ」などが上位に挙げられています。そのほか、「住居専用のマンションとしているから」、「資産価値の低下が不安」などの意見もありました。また、昨今は外国人旅行者の民泊利用が増えていますが、そのような外国人の利用者に対する懸念も意見として挙がっています。意思疎通が困難であることや、生活文化の違うことなどがその根底にあるようです。

同アンケート調査には様々な意見が寄せられていますが、民泊に対しての中立的な意見や許容する意見もあるものの、やはり厳しい意見のほうが多く見受けられます。

そもそも分譲マンションで民泊は可能なのか?

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分譲マンションであっても、民泊を行うことは法律上可能です。ただし、新法民泊の条件を満たしていることが前提となります。条件さえクリアしていれば、分譲マンションであっても、民泊事業者としての申請が行えます。

しかし、分譲マンションの場合、これとは別に管理規約の壁があります。管理規約は、同じマンションに住む区分所有者同士で決めるルールのようなものです。区分所有者は、法律だけではなく、管理規約の内容にも従う必要があります。この管理規約上で民泊の禁止が規定されている場合、そのマンションでは民泊を行うことはできません。前述したアンケート調査でも、「約7割以上の管理組合が管理規約で民泊を全面禁止している」との結果が出ており、現状では管理規約で民泊を禁止している分譲マンションが多数派です。

民泊はまだまだ新しい形態のものなので、管理規約上で民泊について明文化されていないマンションもあります。このため、管理規約に記載がないからといって、無断で民泊を行うと、ほかの区分所有者との間でトラブルになる恐れもあります。管理規約に明文化されていない場合は、一度、同じマンションの住民同士で民泊関連のルールについて話し合い、管理規約の内容を詰めておくことが必要です。

分譲マンションの場合、例え自分が購入した部屋でも区分所有のオーナーである以上、全体のルールとなる管理規約に従わないわけにはいきません。ここが注意すべき点であり、特に民泊のような新しいものを行う際には壁となりやすいのです。

単一オーナーのアパートであれば民泊のハードルは低い

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分譲マンションとは異なり、単一オーナーが所有するアパート(もしくは単一オーナーが所有する一軒家・マンション等の物件)であれば、民泊のハードルが低めです。単一オーナーのアパートの場合、分譲マンションのような区分所有者自身が設定する管理規約はありません。単一所有の物件ですので、「民泊を行う、行わない」はオーナーが決めることになり、それを遮る者はいません。新法民泊に定められた法律条件さえクリアすれば、民泊は自由に行えるのです。

加えて、単一オーナーのアパートであれば、間取りや設備などもオーナーが自由に決められます。「民泊の利用者に喜ばれるようなデザインの間取りにリフォームする」、「民泊で重要になる防犯システムの設備を充実させる」といった工夫も自在です。

民泊のチャンスを単一オーナーのアパートで掴む

今のところ、民泊の需要は徐々に伸びつつあります。特に外国人旅行者からの人気が高まっており、観光庁が公表した「2018年6−7月分 住宅宿泊事業(民泊)の宿泊実績について」のデータによれば、国内民泊施設利用者の内訳は、日本国内に住所を有する者が16.6%、日本国内に住所を有していない外国人が83.4%となっています。つまり、民泊利用者の約8割は、外国人であるということです。

また、政府としても2020年の東京オリンピックに向けて、訪問外国人数を2000万人にまで増やす目標を定めており、仮に目標を達成した場合、約5万5000室もの民泊用の部屋が必要になると言われています。特に、東京オリンピックの開催前後は、東京周辺での民泊利用が増加することでしょう。

尚、「WiFiの通信環境が整っていること」や「日本文化の体験ができること」など、外国人旅行者ならではの民泊に対する要望というものもあります。単一オーナーのアパートであれば、このような人たちの要望を、管理規約に縛られず自由に汲み取ることができます。そこが単一オーナーアパートの強みでもあり、要望に応えるような部屋づくりを進めれば、さらなる民泊利用者の獲得にもつながるでしょう。

このように、分譲マンションと単一オーナーのアパートでは、取り巻く事情が少々異なります。分譲マンションでは、管理規約などが原因となり、民泊運営を思うように進められない可能性がありますが、単一オーナーのアパートであれば比較的自由に民泊運営を行えます。

レオパレス21でも、福岡県や愛知県の計3つの自社保有物件(マンションタイプ)を民泊専用施設とし、2018年12月より運営を開始しました。外国人旅行者の方などに向け、タブレット端末を利用した5ヵ国語対応の24時間問い合わせサービスも用意するなど、民泊利用者の方が快適に過ごせるよう、様々な設備やサービスの充実を図っています。

レオパレス21が同社初となる民泊物件の運営を開始
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/1219_2714.html

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