【後編】経済産業省が推進する「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」が女性の就労を促進! 『女性起業家の支援を広げる環境づくり〜経済産業省〜』

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経済産業省では「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」を推進し、潜在層にアプローチを行い、女性起業家の育成を推進しています。前編では主に当事業の概要についてお聞きしました。

後編では引き続き、経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室の関日路美室長補佐(写真右)と、産業人材政策室/経済社会政策室の田中美妃係長(写真左)に、「女性起業家支援コンテスト」や「わたしの起業応援net」の概要をはじめ、「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」で苦労されている点や反響などについても伺っていきます。

女性起業家に寄り添った支援を実現

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Q:「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」で実施されている「女性起業家支援コンテスト」とは、どういった試みでしょうか。

関:「女性起業家支援コンテスト」略称ジョキコンは、女性起業家への支援事例のコンテストです。支援者のためのコンテストというものはほとんどないのですが、今までにない支援ノウハウを確立するために、コンテスト方式で競っていただくことを始めました。

審査員の方は、起業により生み出された売上の金額や雇用者数も、大事ですが、起業したことで、なりたい自分になれた、充実感のある働き方ができているといった点で、女性起業の意義を捉えていくことが重要なのではないですかとおっしゃっていました。実際に支援者も女性起業家が育っていくことを本当に喜んでいる方が多いのです。

ジョキコンでは支援者の方が泣いてしまうことも多く、自分の支援した人がここまで育ったとすごく嬉しそうにされていますね。こちらも一緒に泣いてしまうこともあります。

Q:「わたしの起業応援net」のサイトはどのような役割を持っているのでしょうか。

関:「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」の紹介やイベントの開催情報、起業のノウハウを紹介しているサイトです。少しでも起業に関心を持つ方がこうしたネットワークによる支援のことを知るきっかけになればと思っています。ホームページから相談いただくと、全国事務局で受けて地域代表機関につなぐ形になっています(平成31年度の実施事業者は新たに公募により決定するため、4月時点では相談の受付は行っていません。)。

成長のスピードは人それぞれですが、先日「LED(Ladies Entrepreneur Discussions)」という関西のイベントに出られた方は、「わたしの起業応援net」に問い合わせていただいてから、半月程度でコンテストに出るまでになりました。関心をもったら気軽に訪れてみてほしいと思います。

女性起業家を支援する環境整備がまず必要

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Q:「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」を進めていく上で、苦労された点がありましたら教えてください。

関:既存の支援機関の方たちは、女性起業家の支援に慣れていないケースが多いようです。
しかし、昨年7月に施行された「改正産業競争力強化法」により、起業無関心層に対する起業への機運醸成が重要と法律の上でも位置づけられています。そのため、女性や若者、高齢者も含めた起業無関心層へのアプローチが必要なことは各自治体の方も認識が高まっていくと思います。

「うちの地域には起業するような女性はいないですよ」とおっしゃったりする地域でもネットワーク内の支援機関が「一度イベントをやってみましょうよ」と持ち掛けたりすると、実際には多くの人が集まったりします。イベントを開くことで、既存の支援機関の方にも女性起業の支援の重要性や効果があると分かっていただけるように、少しずつ活動しています。そのために、各地方の経済産業局や代表機関が一緒に自治体を訪れて、理解していただくということも行っています。

一般に、既存の支援機関の方は、男性の支援者が多いので、女性起業の特徴、必要性を理解してもらい一緒に事業を行うまでに至るには苦労も多いようです。

Q:色々とご苦労もあるようですが、「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」を進めていく中で、周囲からの反響はいかがでしょうか。

関:先日のジョキコンでは、支援機関10ヵ所に電話をしたものの全部断られ、11ヵ所目でようやく当ネットワークの支援機関に話を聞いてもらえたという方の事例がありました。「自分の話を聞いてくれるところに出会えたのがすごく良かった」とおっしゃっていて、これまでだったら支援できていなかった人への支援が可能になっているという点で、またご本人にとっては理解者ができたという点で、女性起業支援体制が強化されつつあると感じています。

ジョキコンなどで賞を取ると、地道に支援をしていた人たちにスポットライトがあたり、注目され、支援者や協力者が地元で増えるという効果もあります。

田中:起業を目指す女性の方の中にはご家族の都合などで転居される方もいます。当ネットワークを活用すると、地域代表機関が連携することで、そのまま転居先でも支援が受けられるので良かったという声をいただくこともあります。

「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」の定着が目標

Q:「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」の今後の展望について教えてください。

関:「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」は、国直轄の事業として行われていましたが、2019年度からは補助事業に変わります。事業者には運営資金の半分が補助金として支払われ、もう半分は自己調達する必要があります。最終的には、国からの補助金なしでも事業として継続することを目指しています。

自治体と連携する方法もあると思いますし、民間事業として運営していくことも想定しています。地域に根付いて事業運営ができるように、地域の方に応援していただければと思います。

働き方改革では、多様な人材活用の一環として、子育て中の女性に働きやすい環境づくりが進められていますが、起業することも自分らしい働き方を実現する選択肢のひとつに加わっていくと思われます。「起業」という道がある、それを認識していない女性が多いことからも、「女性起業家等支援ネットワーク構築事業」により新たな道が提示されることは、働く女性たちにとって今後も大きな助けとなっていくことが期待されます。

(プロフィール)
経済産業省 経済産業政策局
経済社会政策室
室長補佐
関 日路美

1998年、通商産業省(現、経済産業省)入省。サービス産業課における人材関連サービス等担当、産業人材政策室での産学連携人材育成等担当等を経て、2012年から、2年間、仙台市役所へ出向。新産業創出、スタートアップ支援等を担当。その後、中小企業庁経営支援課、地域経済産業グループ中心市街地活性化室を経て、2018年7月から、現室に着任。女性活躍・ダイバーシティ経営の推進、女性リーダー育成、女性起業家等支援ネットワーク構築事業など女性をはじめとした多様な人材の活躍のための環境整備に取り組む。

経済産業省 経済産業政策局
産業人材政策室/経済社会政策室
係長
田中 美妃

2018年6月、現室に着任。日本企業における女性活躍の推進を担当し、女性リーダー育成、女性起業家等支援ネットワーク構築事業など女性をはじめとした多様な人材がいきいきと活躍できるような社会の環境づくりに取り組む。

経済産業省−女性起業家等支援ネットワーク構築事業について
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/joseikigyouka/index.html

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