11団体の連携で空き家対策に挑む! 全国に広がる空き家利活用施策と狙い

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福島市は2018年1月23日に11の関係団体と「福島市における空き家等対策に関する連携協定」を締結しました。
目的は、市民の生活環境を保全するための空き家等発生の未然防止と適正管理、さらに中古物件の流通と活用を推進することです。
銀行・シルバー人材センター・行政書士会・不動産協会・不動産鑑定士協会など11の団体と空き家対策について連携を図ることになります。

連携協定の概要

今回締結した連携協定は有効期間を2022年3月31日までとして、その満了日までに更新するか否かの協議を行うとしています。この連携協定における取り組み事項は、以下の6項目です。

1.市民や所有者等への啓発・相続に関すること
2.空き家等の発生予防や適切な管理
3.空き家等の流通及び活用の促進
4.空き家等の権利関係に関すること
5.空き家等対策に必要な情報の共有及び発信
6.前各号に掲げるもののほか、必要な事項に関すること

空き家対策に関する国の法律としては「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家等対策特別措置法)」が2015年5月に全面施行され、市町村が空き家対策を進める上での枠組みが整えられました。

福島市の連携協定も、「空家等対策特別措置法」に基づいて市が2017年に策定した「空家等対策計画」を遂行するものです。尚、「空き家」と「空家・空家等」の用語について、この対策計画の中では次のように使い分けるとしています。

「空き家」と「空家・空家等」の使い分け

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「空き家」:一般的に用語として用いる際、あるいは既存統計に用いられるものを引用する場合等に使用。
「空家・空家等」:「空家等対策特別措置法」に定義されているものとして用いる際に使用。

「空家等対策特別措置法」では、適切に管理されていない空き家を「特定空家等」に指定し、市町村は助言・指導・勧告・命令など必要な措置を講じることができ、さらに罰金や行政代執行を行えるとしています。

空き家は所有者が適正管理する義務を負いますが、老朽化により倒壊のおそれなどがある場合には改善する必要があります。しかし、状況が改善されない場合には、市町村が命令を出したり、最終的に行政代執行を行ったりすることができるのです。

「特定空家等」に指定されると敷地部分の固定資産税の優遇措置が適用されず、所有者にとってはデメリットになります。「特定空家等」の判断基準は、国土交通省からガイドラインが示されており、点数計算によって合計点数が100点以上となると「特定空家等」の認定候補となる仕組みです。

しかし、空き家が「特定空家等」になるほど放置されれば、防災・衛生・景観など生活環境への影響を解決するのに多大な時間を要してしまうため、その発生を抑制することを福島市は対策計画の方針として掲げています。

福島市の空き家対策の具体的な活動内容

11団体との連携協定における内容は大きく2つに分けられます。まず、空き家となるのを未然に防ぐこと、そして、空き家対策の情報共有です。

福島市は空き家対策に関して、関係団体と行政それぞれの役割を明確に定めています。

関係団体の役割
1.空き家の適正な管理への対応
2.空き家の解消・利活用への協力
3.市場流通化の促進への協力

行政の役割
1.「空家等対策計画」の策定
2.空き家に関する相談窓口の設置
3.空き家に関する対策の実施
4.対策の実施に関する支援

以上に加えて、地域の役割も示しています。

地域の役割
1.空き家情報の提供
2.良好な地域生活環境の保全協力
3.空き家の地域での利活用

空き家は最終的に「特定空家」認定となると、その後の処置には時間が掛かってしまいます。物件を処分する、あるいは修繕するにしても、相当額のお金が必要になるからです。さらに所有者がそれを負担できるかという問題もあります。

そこで、福島市では「空家等」の発生予防として所有者に適正な管理を促し、管理意識の啓発を進めるとしています。これは居住中の段階から行うものですが、所有者が不明となった空き家では、所有者を確認する作業も必要となります。例えば、固定資産税の納付記録といった税務情報から住所を特定することなども考えられます。

市内の空き家の所在やその状態、所有者といった情報は、各種調査の結果とともにデータベース化され、関係部局間の情報共有や対策を検討する際の資料に用いられます。さらに不動産関係団体との連携により、中古物件の流通促進にも取り組みます。

市が実施した「平成28年度空き家所有者の意向調査」にある「空き家の活用意向等について」の項目では、回答数659件の内、最も多い139人が「売却希望、または売却予定」と答えていました。売却したくても実際に売却できないと空き家発生の原因にもなるので、中古物件の流通が促進されれば、空き家発生の予防にもつながると期待できます。

また、改修や管理に費用が掛かることも空き家化の原因となっており、金融機関との連携でその対策に取り組みます。所有者の金銭的負担を軽減できるようなノウハウの共有を目指すというわけです。さらにシルバー人材センターと連携して、高齢者の就労機会の提供も行います。具体的には空き家の管理に必要な除草や簡易な修繕業務などがあります。

相続トラブルで空き家化してしまうことについては、その問題解決に当たって法律関係団体との連携が必要です。管理されていない空き家は地域の防犯面の不安や災害時に不測の事態が生じるおそれもあるため、警察や消防との連携も図られます。

中古物件の流通促進に関連して、福島市の「空家等対策計画」では空き家バンク制度を創設して居住・利用希望者とのマッチングを行うとしています。空き家バンク制度とは空き家の所有者と、空き家を利活用したい人をつなぐサービスのことです。まず空き家を募集して、所有者は情報を空き家バンクに登録します。登録された情報は公開され、利用希望者に提供することで、両者のマッチングを図ります。

空き家バンク制度は、空き家の市場への流通促進、ひいては「空家等」の発生予防や利活用の推進を目的とするものです。さらに、地域振興や市内への定住といった効果も期待されます。

空き家バンク制度の導入及び検討の動きは全国の自治体に広がっており、福島県内でも既に多くの市町村での運用が始まっています。さらに、各自治体の空き家等の情報を集約した国土交通省の「全国版空き家・空き地バンク」も2018年度より本格的に稼働しています。

空き家の利活用への取り組み

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空き家発生の予防策を講じても、どうしても高齢化や相続、売却が難しいといった問題は避けられません。そこで、生じてしまった空き家をいかに利活用するかという取り組みも重要になります。

市の「空家等対策計画」でも所有者がリフォームや耐震改修工事を行ったり、あるいは空家等を再生したりするための支援制度を検討するとしています。ここでは国土交通省の国庫補助事業の活用を視野に入れているようです。具体的には「空き家再生等推進事業」の活用事業タイプに該当することで、事業主体が地方公共団体であれば費用の半分が、事業主体が民間であれば3分の2を国と地方公共団体が負担します。

空き家の活用に関しては、公営住宅として活用したり、あるいは小規模の福祉施設やNPO団体の活動拠点となる施設として活用したりすることなどがあります。このような利活用においては、レオパレス21が選出されたような「空き家コーディネーター」を利用するという方法もあるでしょう。

「空き家コーディネーター」とは、起業家と空き家をつなぐことを目的に、新たな利活用モデルの創出を提案したり、設計計画の相談などに応じたりするものです。例えばサテライトオフィスとして活用する事例があるように、都市部の企業からの誘致をしたり、あるいは高齢化に向けて福祉施設として転用したりといった方策が考えられるでしょう。

空き家はまず、メンテナンスを行って、放置しないことが大事です。それでも手入れが行き届かずに空き家となってしまった場合には、民間企業や団体と連携していかに活用するのか、方策を講じることが必要となるでしょう。

レオパレス21が『東京都空き家コーディネーター』に選定
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0618_2529.html

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