違法民泊は罰則の対象になる? 民泊が規制される理由とは

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2008年、アメリカにおいて、正式にビジネスとしての民泊が始まりました。
民泊は、宿泊料の安さとバラエティーに富んだ宿泊体験ができることで人気となり、今や世界各地に広がっています。誕生から10年以上経ち、現在は安定したビジネス形態のひとつになったように見える民泊ですが、その一方で宿泊客の騒音や、ゴミの問題などの課題があります。
そのような課題を解決するために日本では、2018年6月に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行されました。

民泊はどのように始まったのか

まず、民泊がどのような経緯で正式なビジネスとして始まったのかを見ていきたいと思います。
2007年、当時サンフランシスコで家をシェアしていた2人の友人は家賃を払う金銭的な余裕がなく困っていました。そこでひとつの解決策として屋根裏部屋を整え、そこに購入した3枚のエアマットレスを敷いて宿泊できるようにしました。折りしもサンフランシスコではデザインの国際大会が開かれることになっており、宿泊施設が足りないという問題が起きていました。そのため、2人はこの機を活かし、宿泊施設として用意した自分たちの屋根裏部屋を朝食つきで提供したのです。
そして、これが2008年に、正式なビジネスとしての民泊の始まりとなりました。

民泊が抱える大小様々なトラブルとは?

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民泊のシステムが立ち上がって、最近世界各地で問題が顕在化してきました。
日本でも次のような問題が発生しています。

・民泊の家主(ホスト)と連絡が取れなかった
・建物や部屋が写真と違っていた
・条件が、予約した時と違っていた
・宿泊客が大声で話したりパーティーを開いたりするため騒音問題が発生した
・マンションなどの一室を民泊として貸している時、宿泊客がマンションの共有スペースをバーベキューなどで占領することがある
・言葉の問題や文化の違いで、例えば「禁煙」と伝えても守ってくれないことがある
・宿泊客の扱い方が乱暴なため部屋に置いてあった機器や物品が壊された

上記のようなトラブルの他、海外では安全衛生面での問題もあるようです。

トラブル解決のために創設された「民泊新法」

このように、家主側と利用する側の間でのトラブルから安全衛生に関わる問題まで、民泊には解決しなければならない様々な課題があります。定住者の住居確保に支障をきたしているとの話も出てきています。

このような問題を解決しようと、日本国内で2018年6月に施行されたのが「住宅宿泊事業法(民泊新法)」です。この法律は、これまで見てきたように、民泊に関する様々なトラブルが社会問題となっていることや、旅行客の宿泊ニーズが多様化していることなどに対応するため、一定のルールを定め健全な民泊サービスの普及を図ろうとするものです。それでは、具体的にどのような内容が盛り込まれているのでしょうか。

「民泊新法」では届け出を通して営業を管理

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まず、「民泊新法」では、3つのプレーヤーに対してそれぞれ新しい役割を指定しています。
3つのプレーヤーとは、住宅宿泊事業者、住宅宿泊仲介業者、住宅宿泊管理業者の3者です。この中で住宅宿泊事業者は宿泊施設の持ち主や貸主のことを意味し、住宅宿泊仲介業者というのはインターネットのサイトなどで民泊を紹介して予約を受けつけたり、宿泊客と様々なやり取りをしたりする業者のことを意味します。
この2者はこれまでにも存在していましたが、「民泊新法」では3つ目の住宅宿泊管理業者が新たに加わりました。新たに管理業者を加えた理由は、これまで管理のゆるかった民泊に対し、制度を設けることにより、安全面や衛生面でのトラブルを防いでいくことを主眼としているからです。
そのため、民泊営業を行う住宅宿泊事業者には施設がある場所の都道府県知事に届け出をする義務が課されるようになりました。民泊として使う物件に誰かが住んでいる「家主居住型」と、住んでいない「家主不在型」のどちらも届け出を行う必要があり、「家主不在型」の場合は、国土交通大臣登録の住宅宿泊管理業者に委託して管理してもらうことになります。

利用者が宿泊できる日数は年間180日を超えない

届け出をするということは、「旅館業法」での宿泊施設の取り扱いと同じになるのではと思われるかもしれませんが、「民泊新法」では「人を宿泊させる日数が年間180日を超えないもの」という条件が規定されています。
日数を規制する傾向は世界各地でも見られ、例えばロンドンでは90日、パリでは120日というように、日本の180日よりも少ない日数ながら規制がされています。
このように民泊に使用できる日数に制限が加わったのは、昨今の住宅不足への対応策として「定住者の住居確保」に配慮しながら、その上で旅行者向けの宿泊施設としても利用ができるようにと考えられているからです。
民泊のもともとのコンセプトが「普段住宅として使われている家や部屋を一時的に旅行者の宿泊に利用してもらう」であったことを考えると当然の規制だと言えるかもしれません。

違法民泊には罰金が科される

「民泊新法」では、届け出をしなかったり、届け出の内容が虚偽のものだったり、年間で180日以上営業したりした場合に、20万円以下の過料ないし30〜100万円以下の罰金が科されます。以前の旅館業法でも罰則はあったのですが、最高でも3万円でした。
届け出をせずに民泊を営むと、民泊新法ではなく旅館業法において6ヵ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金又はこれの併科となります。「民泊新法」の施行後、営業届け出の手続が煩雑であること、年間の営業日数が180日以下に制限され収入が減ることなどから、当初は届け出が伸び悩んでいましたが、国土交通省が発表した2019年2月15日時点での届出住宅数は全国で1万3186戸となっており、この数は「民泊新法」によって適法に運営される物件が増えていることを示しています。

普通の家で空いている部屋に宿泊してもらうことから始まった民泊が、今では旅行業界の一大ビジネスとして世界各地に広がっています。ところが、そうしたビジネスの拡大に伴って、家主と利用者の間のトラブルや近隣エリアへの迷惑行為、安全衛生面での問題などが多発するようになりました。このような事態を重く見て、2018年6月に施行されたのが「民泊新法」なのです。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催をはじめ、これから先も海外からの旅行者など、インバウンドが増えることが予想されます。そのため、十分な宿泊施設が必要なことは事実ではありますが、人口が集中する東京などの大都市では、住民が定住できる住居の確保も必要になっています。このような2つの需要をバランス良く満たし、さらにこれまでの民泊運営で生じていたトラブルを回避していくことが、民泊規制を必要とする理由であり、「民泊新法」のルールに定められた義務を徹底させ、しっかりとした適正な運営・管理を通して気持ちの良い民泊利用を実現することが今、求められているのです。

このように今後、増加が予想されるインバウンド需要に応え、レオパレス21は、2018年12月より民泊物件の運営を開始しました。「民泊新法」で規定されている180日以下という営業日数を超えないようマンスリー契約などの短期契約を通して物件の運営を行っていきます。

レオパレス21が同社初となる民泊物件の運営を開始
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/1219_2714.html

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