【後編】「RPA女子」の育成で働き方改革を推進! 女性と企業の幸せな関係づくり『RPA×女性=社会を変える? 女性も企業も幸せになる理由 〜株式会社MAIA〜』

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「RPA(Robotic Process Automation)」は、ソフトウェアロボットによってホワイトカラー業務を自動化・効率化するための仕組みで、働き方改革の強力な武器とも目されています。
その開発に必要なIT知識・技術をオンライン教育を利用して女性に学んでもらい、働きたくても働けない女性のためにRPA人材として復業支援をするというのが「RPA女子プロジェクト」であり、2018年5月から開始したオンライン教育受講生は約1400人、認定試験を合格し就業できるRPA女子は約800人余りの女性スタッフが活躍しています。
業務に際しては女性スタッフが助け合う場面も多く見られ、そのような協力関係の背景や女性同士だからこそ生み出せる価値、またプロジェクトが目指す未来像などについて引き続き、「RPA女子」の仕掛け人である株式会社MAIAのCEO 月田有香氏(写真左)と執行役員兼アートディレクターの森山譲治氏(写真右)にお聞きします。

オンラインからオフラインに発展して、生きたコミュニティに

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Q:「RPA女子」に特徴的な協力体制は、オンラインで学んでいる時からということですが、具体的にお聞かせください。

月田:オンライン教育カリキュラム内の受講生サポートでは、ビジネス向けチャットツール(Slack)を使用しています。
カリキュラムに沿ったチャンネルをベースに学習を進めているのですが、そこではテーマごとにチャンネルをつくって集うこともできるため、悩みや弱音を吐けるチャンネルなども自ずとつくられ、そこで励ます人が出てきたりもするわけです。これは女性の皆さんが集まる場では多く見られることではないでしょうか。
サポートをするスタッフは、過去にオンライン教育を卒業したRPA女子の方々になります。もちろん、主催・運営する当社のスタッフもサポートに入っているのですが、受講生の中でオンラインながら互いに近しい存在になっていく、本当にクラスメート・同期の感覚のようなものなのですね。

森山:後々、業務に入って、例えばテレビ会議などで初めて対面すると感激し合ったりすることもよくあると聞きます。また、コミュニティの場として「RPA女子会」も随時開催しています。会場に来場するRPA女子だけではなく、オフラインでの参加も可能であるため、決して互いにバーチャルな、あるいは仕事だけの関係というのではなく、本当の仲間であり、生きたコミュニティになっています。

Q:オンラインカリキュラムの合格者は50〜60%ということですが、厳しい数字とも言えますね。

月田:それを経て業務に携わるわけですので、レベルはあえて高い位置に設定しています。
また、カリキュラムの中では実際にロボットをつくり、締切日に合わせて提出してもらいます。これはそのまま仕事として納期通りに完成させるプロセスの訓練でもあります。そのスケジュールを自分で組み、コントロールしていくセンスや能力も問われるわけです。

森山:RPAの開発技術は、プログラム開発と同じように、あくまでも専門的な技術であるため、しっかりとそれなりの学習が必要です。
教育でもあるため、一人ひとりの個人差ももちろんございますが、RPA開発の依頼をされるクライアント企業様も自社の業務の仕組みをオートメーション化するため、スキルのある人材を求めます。
また、企業様の求めるカタチを実現すること。開発には納期もあり、納期を遵守することはビジネスの鉄則でもあります。

男性中心の企業文化では理解されにくい、女性ならではの「共感と理解」で働きやすく

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Q:働き方改革は大企業を中心に進み、女性活躍についてもかなり具体的な施策が考えられてきています。それらとはまた違う「RPA女子」の働き方のメリットは何でしょうか。

月田:時間と場所について、自分自身である程度組み立てられるのが最大の違いであり、メリットではないでしょうか。
企業に勤めていれば、職場への通勤が伴います。また、時短勤務制度があっても、上司・同僚や取引先との足並みを揃える必要があり、多くの場合、時間と場所の限定を強いられているのが実情です。例えば、子育てをしていると子どもの発熱は日常茶飯事で、仕事中に保育園から連絡が入り、すぐに迎えに行かなければならず、予定されていた会議やアポイントを調整しなければ……という経験は、ワーキングマザーであれば少なからずあるものでしょう。
最近は企業における管理職研修などで理解が進んでいるとは言え、当の女性社員自身が遠慮し、申し訳なく思いながら子どもの迎えに向かうわけで、その心理的ストレスが子育ての苦労をさらに倍化させてしまっています。

「RPA女子」はあらかじめ、自分が月何時間ほど業務を行えるか、どの時間帯に稼動できるかが共有されており、互いの家庭環境や得意分野などのバックボーンを理解した上で、チームによって業務に当たります。ですから、子どもの急な発熱でも遠慮なくチームの仲間に頼ることができ、フォローし合うことで、お客様に迷惑を掛けることなく業務を進められます。この「共感と理解」は、男性中心の企業文化においてはなかなか得られないものかもしれません。それが「RPA女子」の世界観では上手く機能し、前向きに事を進めていけるというわけです。

森山:男性から見ると、この「RPA女子」のチームワークや協力体制というのは、意外なほど上手くいっています。ある種の共同体、コミュニティですね。
オフラインで実施した「RPA女子会」でもそれを実感しました。RPA女子6期生までの内、50人ほどが一同に集まってロボットのアイデアワークショップを行ったのですが、ほぼ初めて顔を合わせる「RPA女子」たちがすぐに仲間として打ち解け、生き生きとアイデアを出し合っていたのです。その中身も、メーカーやベンダーが喉から手が出るような既成概念にとらわれていないアイデアが多く、女性による生活者目線から生まれるアイデアの優秀さを改めて感じさせられました。
(女子会のオンラインでの参加人数は、約230名)

2021年には1万人の「RPA女子コミュニティ」を目指して

Q:今後について、どのような展開をお考えですか。

月田:RPAを導入したい企業様のニーズは依然として高いので、「RPA女子」は引き続き募集していきます。
また、新しいニーズとして増えているのが、RPAは導入したものの、その後の運用・保守に困っているというケースです。基幹システムなどと違ってRPAでは、日常的な業務の変化に合わせたチューニングが大事になってきます。そのような、業務のために新たな人材を確保するほどではなく、月10〜20時間程度の保守作業で済むといった場面にも「RPA女子」は上手くマッチすると見ています。同時に、その企業の中でRPAを扱える人材の育成も、「RPA女子」なら行っていくことができます。そのようなトレーナー業務が得意な女性スタッフも、「RPA女子」には多いでしょう。

そして「RPA女子」の中から、業務改善や設計など、より上流工程を扱えるコンサルタントへと成長できる人も出てくるのではないでしょうか。そのほかにも当社では、2019年から「AI女子」という、より領域の広いテック人材の育成を開始しています。
RPAの知識・経験を踏まえてステップアップしていくことは、日本でも世界でも需要の高いAI人材になる現実的な近道とも言えます。
さらに次の構想としては、複数のテクノロジーを組み合わせて企業にデジタルトランスフォメーションを提案し推進していける、「DX女子」へのステップも考えています。そのようにして、気がついたら起業していた、という女子たちが続々と出てきてくれるのが夢ですね。

森山:日本には、新しい事業を生み出していくゼロイチを実行できる人材が圧倒的に不足しているのです。それを、女性からの生活者目線や感性で成し遂げてもらいたいですし、RPAなどテクノロジーの知識や経験は大きな武器になると思います。
また、当社のコンセプト「Life Shift」に掲げているように、働き方そのものを変えていくための裾野を広げるために、「We.MAIA」という会員制サイトも開設しています。
現在、登録会員は約10000人いますが、ここで最新のRPAやAI情報にも触れながら、多くのRPA女子たちのインタビューやコラムを掲載しています。
「We.MAIA」を見れば、新しい自分自身に出会える、様々な情報を得る機会をつくって、世の中に求められる人材を目指していただきたいですね。当社としてもそのためのサポートを、オンライン・オフラインともに、さらに強化していきます。

月田:4月には、「RPA女子」体験に基づく、働く女性の心情を描いた「私たちのコーラスライン」というミュージカルを上演しました。そのようにして、「明日も頑張ろう」と働く女性たちに思ってもらえるよう、エールを送り続けたいですね。
「RPA女子」は今、全ての都道府県はもちろんのこと、アメリカ・南米・ヨーロッパ・東南アジアと海外にも多くの女性がいる状況です。
私自身がまず全国行脚して、各地で核となってくれる女性に働き掛け、コミュニティを自走してもらえるような環境にしたいですね。
そうなると、現在は主に首都圏を中心とした企業のRPA導入が、それぞれの地方でも進み、日本全体の活性化にもつながるでしょう。そうして2021年には、「RPA女子」コミュニティを1万人規模にしたい、そうできると思っています。

(プロフィール)
株式会社MAIA
最高経営責任者 CEO
月田 有香

株式会社MAIA
執行役員兼アートディレクター
森山 譲治

RPA女子プロジェクト
https://www.maia.co.jp/rpa-women

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