ニューヨークでは大規模ビルのCO2削減が義務化? SDGsを推進する日本の現状

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2015年9月、国連サミットにおいてSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が150を超える加盟国首脳の参加のもとで採択されました。
そこには、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を理念とし、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指した、貧困・エネルギー・都市・気候変動など、環境や人権、平和に関連する17の国際目標が掲げられています。
そして現在、2030年を期限に各国が具体的な取り組みを進めていく段階に入っているのです。

SDGsへの取り組みが進む

日本政府は2016年5月に、SDGs推進本部を内閣に立ち上げ、SDGs達成に向けた取り組みを始めています。
特に、気候変動に関連する取り組みとしては長期低炭素ビジョンを掲げ、先進国に先駆けてCO2の大幅削減と社会発展を両立することを目指しています。
今後、海外の先進事例に学びつつSDGsを踏まえて、社会構造をどのように転換していくのかなどについて、さらなる議論が必要となってくるのではないでしょうか。

そこで、SDGsに関する最新の海外事例のひとつとして、アメリカ・ニューヨークでのCO2削減に向けた動きを紹介するとともに、日本政府のSDGsを推進するための取り組みについても解説します。

大規模ビルのCO2削減に向けたニューヨークの動き

CO2
2018年8月20日、ニューヨークの市議会議員が、大規模ビルからのCO2排出量の削減を義務化する市法案を議会に提出しました。
この法案が成立すると、ニューヨークは既にあるビルに対するCO2排出削減を義務化する大都市として、世界から大きな注目を集めることになります。

この法案では、2050年までに大規模ビルからのCO2排出量を2005年比の80%削減する目標が掲げられています。
これにより、ビルから排出される分が市全体のCO2排出量の3分の2を占めるというニューヨークでは、排出量全体の実に67%が削減できるとしています。
この法案は、米国グリーンビルディング評議会(USGBC)のニューヨーク支部であるUrban Green Councilによって公表されたCO2排出量の削減に関する制度や枠組み、目標に関するレポートである「Blueprint for Efficiency」を基盤としています。
このレポートの作成に当たっては、不動産企業やエネルギー企業、NPO、政府をはじめ、ニューヨークの大規模ビルの運営に関連する70以上もの企業や団体などが関わっており、様々な立場のステークホルダーが共に都市におけるCO2排出削減に取り組んでいる事例として位置づけることができるのではないでしょうか。

また、本法案以外にも、ニューヨークでは低炭素社会の実現に向けた動きが進んでいます。
例えば、市年金基金の運営では、低炭素投資分野の運用額を倍増する目標が立てられています。具体的な金額については、2018年時点で20億米ドル(約2250億円)であったものを2021年には40億米ドル(約4500億円)へと増額する方針が示されています。
このようにニューヨークでは都市機能の様々な面で低炭素社会への転換が進められているようですが、それでは日本はどのような状況にあるのでしょうか。
次に、日本政府によるSDGsに向けた政策方針を見ていきます。  

日本政府の政策の方向性

国連サミットでのSDGsの採択後、先に述べたように2016年5月にはSDGs推進本部が内閣に設置されました。また、推進本部のもと、広範な関係者による意見交換の場としてSDGs推進円卓会議を設け、政策の基盤となる議論を行っています。

政府が示す基本的な政策方針のひとつとして、科学技術イノベーションの活用があります。
これは主に、防災やごみ、気候変動などの課題に対する取り組みとなるものです。新しい技術の開発は、日本だけでなく、ドイツやフランス・イギリス・アメリカなどでも重要であると認識され、各国の政策を方向づける主要素となっています。
また、これらの国々では、技術的なイノベーションに支えられ、社会的・経済的なイノベーションを含めた包括的な取り組みを進めていくことが重要であると捉えているようです。
日本政府による政策方針も、このような各国の認識を踏まえたものであると考えられます。

日本政府による気候変動に関する取り組みでは、環境省の新国民運動『COOL CHOICE』などから、低炭素型製品やサービスに関する技術開発に基づく市場環境の整備が計画されています。
このような方針に沿って、ビルや住宅の省エネ化や電気自動車、再生可能エネルギーの開発などが進められています。また、社会システム面における改革の具体策も見ることができます。
例えば、東京都は都内大規模事務所を対象としてCO2排出の「総量削減義務と排出量取引制度」を導入し、2010年4月からはCO2排出の削減が義務づけられています。これにより、大規模事業所間でのCO2排出量の取り引きが進みつつあるようです。

SDGs実現に向けて大切なこととは

ニューヨークの事例からは、その提案内容はもちろんのこと、大規模ビルや都市インフラ・不動産・環境などに関わる企業や団体をはじめとする様々なアクターが、CO2削減に向けて議論し、考えをすり合わせ、実践へと移すといったプロセスにこそ大きな意義があると読み取れるのではないでしょうか。
様々なアクターが議論し、共通認識を持って折り合うためには、何かしらの接点が必要になると考えられます。
日本政府は、現在掲げている科学技術イノベーションをひとつの接点として位置づけ、多様なアクターの参加のもとにさらなる共通認識や接点を見つけ出すことを求めています。
そして、これらを基点として、SDGsの誓いである「誰一人取り残さない」という理念を実現するため、社会全体で取り組みを進めていくことが大切なのではないでしょうか。

レオパレス21では、SDGsを踏まえた低炭素社会の実現に向けて、地球環境にやさしい社会の実現への活動に取り組んでいます。

レオパレス21の地球環境にやさしい社会の実現への活動
https://www.leopalace21.co.jp/corporate/csr/case/environment.html

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