建築基準法改正で空き家の活用を促進! 3階建て住宅が民泊に使いやすくなる?

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2018年、建築基準法の一部が改正されました。これにより、3階建て戸建住宅に対する制限が緩和され、自宅物件や空き家が民泊施設に改築しやすくなりました。

今回の建築基準法改正でどのような利点が生まれたかについて、民泊化の視点から解説していきます。

建築基準法が改正、3階建て戸建住宅への制限が緩和される

2018年9月に「建築基準法の一部を改正する法律(改正建築基準法)」が施行されました。これまでの建築基準法から幾つかの点が改正されており、その中には空き家に関連する内容も含まれました。

空き家の数はここ20年で約1.8倍と増加傾向にあり、増え続ける空き家への対策として、福祉施設・商業施設・宿泊施設(民泊も含める)などに用途変更をすることが求められていました。
しかし、そのような場合、建築基準法の規定に適合するための工事が必要となるケースもあり、実際のところ思うように転用は進んでいませんでした。そこで、空き家の転用を促すための新たなルールづくりが課題とされていました。

そのような経緯もあり今回の建築基準法改正では、空き家を含めた戸建住宅に対し、次のような制限緩和措置が実施されました。

戸建住宅等の福祉施設等への用途変更に伴う制限の合理化

1)面積200平方メートル未満で3階建ての戸建住宅を福祉施設等に用途変更する場合であれば、壁・柱等の耐火のための改修が不要(但し前提として、在館者が早期避難できる措置が必要)。

2)戸建住宅の「用途変更の手続き」が不要になる面積を、100平方メートル未満から200平方メートル未満に緩和。

「旅館業法」の改正で、こちらも民泊化の後押しに

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民泊化を後押しする法改正として、改正旅館業法が2018年6月に施行されました。
今回の改正では、「旅館営業」「ホテル営業」の2つの営業種別を新たに「旅館・ホテル営業」として統合するとともに、「旅館・ホテル営業」における構造設備の基準を緩和しています。

尚、構造設備の基準の制限緩和については、次のような内容となっています。

「旅館・ホテル営業」における構造設備の基準の緩和点・変更点
1)最低客室数(ホテル営業の場合10 室、旅館営業の場合5室)の基準を廃止。
2)洋室の構造設備の要件(洋式の寝具が必要、出入口や窓に鍵が必要、客室と客室との境は壁造りでないといけないなど)を廃止。
3)1客室の最低床面積を緩和。最低床面積7?以上(寝台を置く客室は9?以上)の広さがあれば営業可能。
4)ビデオカメラによる顔認証など、本人確認機能が可能なICT設備を設置していれば、玄関帳場・フロントの代わりとして扱うことも可能。
5)暖房における設置基準が緩和。
6)便所数の設置基準が緩和。

上記のように緩和されたため、部屋数が少ない建物や設備の乏しい建物であっても、以前に比べて旅館業の許可を得やすくなりました。一般的な戸建て住宅・集合住宅(アパートなど)であっても、従来に比べれば旅館業を行いやすくなった訳です。

また、民泊関連では、2018年6月に施行された「民泊新法」に則って民泊施設を運営する場合、年間の営業日数は180日以内に制限されますが、旅館業の許可を得て民泊を運営する場合には、営業日数の制限はありません。
これまでの旅館業法の基準は厳しく、一般的な戸建て住宅・集合住宅では、民泊新法が定める180日以内の制限の中で民泊運営を行うのが通例でした。
しかし、今回の改正旅館業法により、民泊新法ではなく旅館業法の下で民泊運営を行うことも難しくはなくなりました。つまり、戸建て住宅・集合住宅であっても、旅館業の許可を得て、営業日数の制限を受けない長期的な民泊運営が行いやすくなったとも言えるわけです。

増え続ける空き家と、増え続ける訪問外国人の民泊需要

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1960年代までの日本は、総住宅数が総世帯数を下回っており、家が足りない状況が続いていました。
それが1970年代に入ると逆転し、住宅数が世帯数を上回り、供給過多の状態になりました。
つまり、空き家が発生しやすい状況になったのです。以降、空き家は年々増えていき、直近の2013年の「住宅・土地統計調査(総務省)」によると、空き家の数は2013年までの20年間で約1.8倍にまで膨れ上がったという結果が出ています。

2013年の時点で全国の空き家総数は約820万戸に及んでおり、首都圏近郊や一部の地方都市を除き、全国的に空き家が増加しています。特に日本海沿岸の県、四国や九州地方の県では空き家化が急速に進んでおり、空き家率が10%を超える県も見られました。
また、空き家の大部分を占めるのが耐震性の乏しい住宅や腐朽・破損のある住宅です。転用の難しい空き家が全国各地に増え続けているのが日本の現状なのです。そして、このような空き家問題を今後どのように解消していくかが国全体の課題となっています。

さらに、もうひとつの取り組むべき課題となっているのが、こちらも増え続けている訪問外国人への対応です。
ここ数年で海外から日本を訪れる外国人旅行者の数が急増しています。「日本政府観光局」の調査によれば、2017年の訪問外国人数は2869万人となっており、2013年には1036万人だった訪問外国人の数が約3倍にまで膨れ上がっています。今後2020年東京オリンピックの開催などを経て、この速度のまま訪問外国人旅行者が増え続けると、数年後にはその数がより一層膨らむ可能性が考えられます。

訪問外国人の増加は、その分の新たな宿泊先を必要としますが、注目したいのは訪問外国人が選ぶ宿泊施設です。
ホテルや旅館、知人宅ばかりかと思いきや、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」(平成29年7-9月期訪日外国人旅行者の宿泊施設利用動向)によれば、約1割(12.4%)の訪問外国人が民泊を利用していると回答しています。訪問外国人の内の一定数は民泊を選ぶということが明らかになり、こうした民泊需要に対応するための施策が求められているのです。

増え続ける空き家、増え続ける訪問外国人の民泊需要、現在の日本はこの2つの課題を抱えていますが、空き家を民泊化できれば同時に双方の解決につながります。今回の建築基準法改正にはそのような狙いも含まれており、改正後、民泊などに用途変更される空き家数の伸びが期待されています。

建築基準法と旅館業法が改正されたことにより、以前に比べ自宅や空き家の民泊化がしやすくなりました。民泊化が進めば空き家問題の解消につながるだけでなく、訪問外国人の民泊需要に応える手立てにもなります。空き家を所有している方や、民泊運営に関心のある方にとっては、追い風が吹いていると言えるかもしれません。

レオパレス21でも空き家問題の解消に取り組んでおり、2018年には「東京都空き家コーディネーター」に選定され、空き家を活用したいという方の相談窓口としても活動しています。同時に民泊にも取り組み、2018年より幾つかの自社物件を民泊専用施設として運営しています。

レオパレス21が『東京都空き家コーディネーター』に選定
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0618_2529.html

レオパレス21が同社初となる民泊物件の運営を開始
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/1219_2714.html

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