ESG投資マネーを日本企業に! 再生可能エネルギー活用の取り組み

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今、世界では再生可能エネルギーの導入が進んでいます。
そのような動きを受けて、経済産業省は日本における再生可能エネルギーの導入を促進すべく、支援活動を行なっています。
これは、脱炭素化による地球環境への配慮という面のほかに、ESG投資マネー(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceに配慮する企業への投資)を呼び込むという理由もあります。
そういった世界の再生可能エネルギーの導入の状況と、日本へ世界のESG投資マネーを呼び込むにはという視点から解説していきます。

日本企業はRE100への参加を目指す

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経済産業省は国内企業のRE100(Renewable Energy 100%)への参加を支援するために、様々な取り組みを行なっています。

RE100とは、再生可能エネルギーのみで事業を運営することを目指す世界的な企業連合のことです。2014年に、イギリスの団体The Climate Group とCDPが共同で運営を開始しました。

再生可能エネルギーとは、水力・太陽光・風力・地熱・バイオマスによるエネルギーのことで、これらを利用して発電を行い、脱炭素化を目指すとされています。

RE100の加盟企業の数は176となっています(2019年5月24日時点)。そして、世界では脱炭素化を目指し、さらに加盟企業が増えているようです。

と言うのも、例えばRE100に加盟する大手企業が、部品を提供するサプライヤーに対して再生可能エネルギーの導入を推奨するようなケースもあるからです。日本の国内企業も海外への展開を目指すためには、必然的に再生可能エネルギー100%を導入する必要が出てくるのではないでしょうか。

世界は脱炭素化に向けて動き始めており、国際開発金融機関である欧州復興開発銀行(EBRD)も再生可能エネルギーを推進するため2019年からの5ヵ年計画を承認しました。これは、石炭(一般炭)採掘及び石炭火力発電事業に関する投融資を禁止するというものです。

このような状況の中、日本も世界のESG投資マネーを呼び込むために再生可能エネルギーの導入を急いでいるようです。それは、ESG投資マネーの流れを見極めた上でのことです。

2016年と2018年の比較で、ESG投資関連の資産額の推移は以下の通りとなっています。

ヨーロッパ 12040 → 14075
USA 8723 → 11995
日本 474 → 2180
カナダ 1086 → 1699
オーストラリア・ニュージーランド 516 → 734
(単位:10億USドル)

日本は増加率こそ高いもの、その総額を見るとまだまだ欧州に遅れを取っていると言わざるを得ません。

経済産業省が再生可能エネルギー導入促進のための支援活動を行っているという状況からも明らかなように、国内ではその導入が遅れています。

日本の再生可能エネルギーの導入状況

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2018年12月時点での日本の発電エネルギー比は以下の通りです。

水力 6.5%
火力 83.2%
(石炭 33.3% 液化天然ガス 43.3% 石油 2.3%ほか)
原子力 8.4%
新エネルギーなど 3.9%
※新エネルギーには風力発電・太陽光発電・地熱発電・バイオマス発電・廃棄物発電を含む

このように再生可能エネルギーによる発電は、まだまだ少ないことが分かります。

一方、世界に目を向けると、例えばカナダは水資源に恵まれていることから水力発電が56.7%に達しています。欧州のドイツ・スペイン・イタリアなども自然エネルギー比率が30%以上です。

日本は、2030年度におけるエネルギーの割合を示したエネルギーミックスで、再生可能エネルギーの導入水準を22?24%としています。しかし、取り組むべき課題も浮き彫りになっています。

日本での再生可能エネルギー導入における課題

日本で再生可能エネルギーの導入が遅れている理由にはいろいろあります。例を挙げると、再生可能エネルギーの発電コストが、国際水準と比較した場合高いことがあるようです。

具体的には非住居向け発電システムの費用が国際水準の2倍近くあるということです。
現状、世界では発電コストが下がり続けています。その理由は、大規模事業となることから資材の大量調達ができることや、単価が低い労働力を利用できることなどがあるようです。日本は再生可能エネルギー導入が少ないことから、資材調達量も少なく、そのコスト削減が進んでいないようです。

太陽光発電の場合、日照時間も大きな条件となります。再生可能エネルギーによる発電比率が30%を超えるドイツは、国土の中に太陽光発電に向いている地形が多いとされます。

また欧州では、再生可能エネルギーの中心は風力発電で、特に洋上風力発電が盛んです。タービンの大型化や機器寿命予測改善といったテクノロジーの進歩により、コストも安くなっているようです。

しかし、ドイツは再生可能エネルギー導入における費用負担を国民も背負っています(2016年度の標準家庭における月額負担は約18.5ユーロです)。この点は日本も同じでしょう。

日本でも再生可能エネルギーでつくった電気を、固定価格買取制度(FIT制度)により電力会社が買い取るように義務づけられています。2018年度時点での買取総額は年間3.1兆円に達し、その費用の一部は電気の使用者である国民が負担しているのです(再エネ賦課金)。

国民負担をこれ以上増やさないようにするためにも、再生可能エネルギー導入に伴うコストの削減が求められており、様々な取り組みが行われています。

例えば、大規模な事業用太陽光発電やバイオマス発電については入札制度に移行し、競争を促進することでコストの抑制を図ります。
また、再生可能エネルギーを主力電源とするため、安定的な長期間稼働ができるように運転開始期限を設定するといった取り組みなどです。

そして、ESG投資マネーを呼び込むことも、設備投資などを加速させるのにひと役買うことができます。経済産業省による再生可能エネルギー導入の支援活動には、そうした意図も汲み取れます。

再生可能エネルギー導入への支援活動の内容

経済産業省の主導による支援活動には大きく分けて、補助金・税制・融資の3つがあります。

補助金

補助金による支援の内容は、太陽熱・バイオマス・地中熱などの再生可能エネルギー熱利用設備を導入するために掛かる経費の一部を補助するといったものです。補助対象設備は次の通りです。

再生可能エネルギー由来の熱を有効利用する熱利用設備

・太陽熱利用
・温度差エネルギー利用
・雪氷熱利用
・地中熱利用
・バイオマス熱利用
・バイオマス燃料製造

補助率については、補助対象経費の3分の1としています。次に挙げる条件を満たす事業であれば、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)が認めることで3分の2を補助する場合もあります。

・民間事業者が地方公共団体から指定・認定を受けること
・先導的な事業又は地域内エコシステムの構築に向けた取り組みとすること
・木質バイオマス熱利用又は木質バイオマス燃料製造を導入する事業であること

税制

再生可能エネルギー設備などを新たに取得し、事業に用いた場合に適用される税制優遇措置です。内容としては、普通償却に加えて基準取得価額の20%相当額を限度として償却できる特別償却が可能となります。

また、再生可能エネルギー発電設備に対しては、固定資産税を軽減する措置もあります。これは、固定資産税が課せられることとなった年度から3年分に限り、課税標準を軽減するものとされています。

融資

中小企業や個人事業主が、非化石エネルギー設備(再生可能エネルギー設備)を取得するために必要な設備資金を融資する内容です。この場合、設備の改造や更新も含みます。融資は日本政策金融公庫が行います。

基準金利は中小企業事業の場合1.16%、国民生活事業の場合には1.76%です。対象となるのは太陽光による発電設備です。

さらに特別利率(1)として、以下が適用されます。

中小企業事業0.76%
国民生活事業1.36%

地中熱(熱利用設備)
太陽熱(熱利用設備)
太陽光(発電設備)
※10kW以上の自家消費型設備に限る

そして特別利率(2)は次の通りです。

中小企業事業0.51%
国民生活事業1.11% 

風力(発電設備)
温度差エネルギー(熱利用設備)
バイオマスエネルギー(発電設備・熱利用設備・燃料製造設備)
雪氷(熱利用設備)
地熱(発電設備)
水力(発電設備)

このような支援を上手に利用しながら再生可能エネルギー導入を進め、さらにRE100へ加盟することで、世界のESG投資マネーを呼び込む可能性が大きく広がっていくことでしょう。

日本の場合、地形や日照条件、発電設備の設置に掛かる人件費など再生可能エネルギー導入には課題が多いのも事実です。
しかし、様々な支援を受けながらRE100への加盟を目指すことで、世界のESG投資マネーを呼び込むことは可能です。
レオパレス21も地球環境に優しい社会の実現を目指しています。
例えば、管理するアパートの屋根に太陽光発電システムを設置するなど、再生可能エネルギーの活用について積極的に取り組んでいます。

レオパレス21 の「地球環境にやさしい社会の実現」への取り組み
https://www.leopalace21.co.jp/news/2018/0830_2604.html

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