働き方改革の鍵は人材育成? 「スーパーフレックス制度」の導入で行うべきこと

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働き方改革のひとつに、「スーパーフレックス制度」があります。これは育児や介護などの時間を確保しながら自分の都合に合わせた就業時間を決めることのできる制度です。しかし、この「スーパーフレックス制度」を導入して生産性を高めるためには、人材育成が重要になります。
今回は、「スーパーフレックス制度」とは具体的にどのようなものなのか、そして、制度を活かすには何が課題になるのかについて説明します。

「スーパーフレックス制度」の概要

育児や介護など、従業員の都合によって出社時間や退社時間を自分で設定できる従来のフレックスタイム制度から、コアタイムをなくしたものが「スーパーフレックス制度」です。

フレックスタイム制度にコアタイムがある理由

政府は働き方改革の推進により、生産性の高い働き方を目指しています。そのための具体策として、育児や介護といった事情を抱える従業員が自分の都合に合わせて勤務時間を設定できる、フレックスタイム制度が企業の間で導入されるようになってきました。1987年には労働基準法改正による法整備も行われています。

しかし、企業によっては社内における従業員同士の連絡やミーティングの時間を確保するために、コアタイムと呼ばれる時間帯を設定するケースがあります。フレックスタイム制度では、このコアタイムを勤務時間内に組み込み、出社と退社の時間を設定することになります。

「スーパーフレックス制度」でコアタイムを撤廃する理由

企業でフレックスタイム制度を導入しても、例えば、介護を理由とした離職者が2017年には9万人以上に上るなど、従業員の離職に歯止めを掛けることができません。そこで、コアタイムを廃止した「スーパーフレックス制度」を導入する企業が出てくるようになりました。

コアタイムを廃止することにより、出社しなくても仕事ができるリモートワーク業務を認める企業も増えてきています。時間にも働く場所にも選択の幅が広がることで、従業員はそれぞれの都合に合わせたより自由な働き方ができるようになります。

「スーパーフレックス制度」の導入事例

スーパーフレックス制度
実際に「スーパーフレックス制度」を導入している事例を見ていくことにします。

完全在宅勤務も視野に入れる通信大手

通信大手のある企業は2017年2月のプレスリリースで、同年4月より「スーパーフレックス制度」を導入すると発表しました。

この企業では既にフレックスタイム制度を導入していましたが、コアタイムを撤廃した上で約1万人を対象に、始業時刻・終業時刻を日単位で変更できるようにしています。

そして、「スーパーフレックス制度」の導入や部分的な在宅勤務が一定の成果を上げているとし、将来的には完全な在宅勤務などの業務環境づくりを計画しているとのことです。

ITツールを活用してテレワークも拡充する卸売業の大手企業

卸売業のある大手企業は2018年10月のプレスリリースで、11月1日より「スーパーフレックス制度」と「テレワーク制度」を同時に導入すると発表しました。

「テレワーク制度」の利用は、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3つを勤務形態として、週2日相当の時間を上限に国内の全社員を対象にするとしています。このような「テレワーク制度」導入に伴う形で、「スーパーフレックス制度」を採り入れました。

この企業では、2つの制度を導入するに当たって、目標設定やフィードバックの場となる定期的な面談が重要になると考えました。そのために、オンラインコミュニケーションを支えるITツールの拡充にも取り組んだようです。

「スーパーフレックス制度」導入による働き方改革には従業員の自律性向上と人材育成が不可欠

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従業員には働き方の自由度が高まる「スーパーフレックス制度」ですが、企業にとっては考慮すべき幾つかの課題があります。

「スーパーフレックス制度」は従業員の就業意欲に依存

従業員の都合に合わせて就業時間を、あるいは働く場所さえも変えることができる「スーパーフレックス制度」には、大きな課題もあるようです。それは従業員各自の就業意欲に依存する度合いが大きくなってしまうということです。

上司は部下と一緒にいる時間が少なくなれば、その従業員のマネジメントを十分に行うことが難しくなります。そのため業務への取り組みは、いくつかの部分において従業員の就業意欲に任せることになると思われます。

独立行政法人労働政策研究・研修機構による2014年5月発表の「裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果」によると、フレックスタイム制度を導入して不便を感じたことがあると回答したのはアンケートを実施した企業の中の51.3%でした。
さらに、問題点について聞いたところ、次のような結果となりました。

・従業員の時間意識がルーズになる 29.4%
・人事担当における時間管理が煩雑になる 19.3%
・社内のコミュニケーションに支障が出る 17.6%
・取引先・顧客に迷惑を掛けてしまう 9.4%
※複数回答あり
また、フレックスタイム制度を導入しない理由については、効率性や採算性低下のおそれ(20.1%)、従業員の時間意識がルーズになるおそれ(16.0%)といった回答が主なものでした。

従業員のマネジメントをどのように行うのか

時間や働く場所も自分の都合で選べることになり、従業員には自分自身をいかにマネジメントするかという問題が出てきます。さらに企業側の社員教育においても、社内でのOJT(実務による教育訓練)の時間確保が難しくなる可能性があるため、OffJT(職場外における教育)に頼らざるを得なくなります。

しかし、OffJTは従業員本人がその必要性を感じなければ、積極的に受けなくなるという問題も内包していると考えられるのではないでしょうか。

このように、「スーパーフレックス制度」には、従業員の自立性をいかに高めるかについて考えていく必要があると思われます。

従業員の自立性を高める人材育成を

「スーパーフレックス制度」の導入事例において、「目標設定やフィードバックの場となる定期的な面談が重要」というフレーズを紹介しました。ここに従業員の自立性を高めるためのヒントがあります。

「スーパーフレックス制度」により、確かに上司と部下が直接的に顔を合わせる時間は少なくなります。しかし、その点に関しては、コミュニケーションツールを上手く導入することで解決も可能になることが期待できます。

別の実例として食品メーカー大手のある企業では、「成果にコミットした自律的働き方」を目指しています。これは従業員に対して適正な評価を行い、各自の成長意欲を高めた上で、求められる成果を上司と部下とで確認するというものです。

従業員はきちんと自分の仕事を評価してもらうことで、就業意欲を高めることにつながります。そのためには、まず的確な目標設定を行い、その業務の成果への正当な評価を伴う形でフィードバックさせることが必要になります。このような仕組みを通じ従業員の自律性を高めることで、OffJTによる教育も効果が出るようになることでしょう。

また、面談を十分に行っても目標とする成果を達成できないとなれば、従業員は自ら学習が必要であると感じるようになります。そのような自発的意欲に応えるための教育体制や学習支援制度も整えておくことは大事です。

「スーパーフレックス制度」を導入して働き方改革に取り組むのであれば、従業員の自律性を高めるために、まず上司と部下が目標設定や成果のフィードバックといった面談をしっかりと行っていかなければなりません。そのためのコミュニケーションツールの活用も不可欠と言えるのではないでしょうか。

また、従業員が自らの業務効率向上に取り組むために、成果につながる活動の評価、いわゆるパフォーマンスマネジメントも必要になるでしょう。自分で選んだ時間や場所において、業務をどのように割り振ればよいのかを、従業員自身で判断しなければならないからです。

そうなるとスーパーフレックス制度における人材育成は、成果のみを評価するのではなく、従業員の働き方そのものに対しても評価しフィードバックすることが大切となり、今後の働き方改革の進め方においても、そのようなことを考慮した動きになっていくと思われます。

レオパレス21では育児・介護従事者を中心に、場所や時間にとらわれない職場環境を構築しています。個人の能力や可能性を最大限に発揮できるような環境作りに取り組み、ワークライフバランスの推奨に努めています。

レオパレス21の働き方改革推進への取り組み
https://www.leopalace21.co.jp/corporate/wlb.html

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