経済産業省の「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」が示す経営のあり方とは?

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「ダイバーシティ・マネジメント」という言葉をご存知でしょうか。
これは、2000年以降、日本の企業経営において重視されているもので、グローバル化などに伴い市場が多様化する状況に対して、企業において人種や性別、年齢など様々な背景を持つ人材を採用し、それぞれの個性を活かしながら創造的な経営を進めようとする考え方です。雇用する側にとっても、働く側にとっても、「ダイバーシティ・マネジメント」は、これからの企業づくり、そして私たちの働き方に大きく関わってくることになるでしょう。

経済産業省は、2018年3月に「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を、同年6月にはその改訂版を公表し、その中に多様な人材を企業経営に活かすための総合的・実践的なガイドラインを示しました。私たちの働き方や日本経済にも大きな影響を持つと考えられる「ダイバーシティ2.0行動ライン」について、その概要とそこに示された7つのアクションを解説します。

日本企業を取り巻く環境と人材戦略

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日本の企業は、近年、急速に進むグローバル化や国内の産業構造の変化、少子高齢化などへの対応に迫られています。
世界市場での競争に立ち向かうためにグローバル人材を確保することが急務とされる一方で、国内ではサービス分野の就業割合が増加する中、基幹産業となる製造分野などでの人材不足が深刻化している状況です。そして、日本全体で急速な少子高齢化が進んでおり、人材の間口を広げて労働力を確保していかなければ、この先、経済・社会が回らなくなっていく事態に直面することにもなりかねません。

このような社会変化に対応するために、日本の多くの企業では人材戦略を大きく改革する必要があるとの認識が広がっています。
つまり、戦後から続いてきた、男性・日本人を中心とした人材戦略ではなく、性別・国籍・年齢・キャリアなどにとらわれない様々な人材を確保することが重視されているのです。経済産業省によって公表された「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」は、そのような社会背景のもとに取りまとめられました。

「ダイバーシティ2.0」とは?

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「ダイバーシティ2.0」とは、2000年以降、主に女性の雇用拡大を焦点とした初期のダイバーシティ促進の内容をさらに一歩進めようとするものです。「ダイバーシティ2.0」は、女性・男性という性別だけではなく、国籍・キャリア・年齢など多様な観点で人材を評価し、確保していこうという企業経営上の取り組みです。
また、初期のダイバーシティ促進に関わる取り組みの中では、形式的な部分のみで捉えられてしまうことも多く、実際に企業経営に組み込み、現場で実践するまでに至らなかったことなどもあり、実質的に企業経営が変わるところまでは十分に浸透しなかったという問題点がありました。
そこで、「ダイバーシティ2.0」では、企業経営のガバナンスから現場までその考え方が浸透し、企業活動において実践されることを目指すとしています。

さらに、経済産業省は、「ダイバーシティ2.0」に取り組む企業を「100選プライム」として認定するとともに、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」に選定し、投資家へ紹介するなどして、「ダイバーシティ2.0」の推進を図っています。

「ダイバーシティ2.0」実践のための7つのアクション

経済産業省は、「ダイバーシティ2.0」の具体的な実践に向けて「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を策定しました。この中では、「ダイバーシティ2.0」を実際の企業経営に組み込んでいくための7つのガイドラインが挙げられており、それぞれの内容について以下に示します。

1.経営戦略への組み込み
経営トップが、ダイバーシティが経営戦略に不可欠であることを明確にし、自らの責任で取り組みをリードする。

2.推進体制の構築
ダイバーシティの取り組みを全社的・継続的に進めるために、推進体制を構築し、経営トップが実行に責任を持つ。

3.ガバナンスの改革
構成員の多様性の確保により取締役会の監督機能を高め、取締役会がダイバーシティ経営の取り組みを適切に監督する。

4.全社的な環境・ルールの整備
属性にかかわらず活躍できる人事制度の見直し、働き方改革を実行する。

5.管理職の行動・意識改革
従業員の多様性を活かせるマネージャーを育成する。

6.従業員の行動・意識改革
多様なキャリアパスを構築し、従業員一人ひとりが自律的に行動できるよう、キャリアオーナーシップを育成する。

7.労働市場・資本市場への情報開示と対話
一貫した人材戦略を策定・実行し、その内容・成果を効果的に労働市場に発信する。投資家に対して企業価値向上につながるダイバーシティの方針・取り組みを積極的に発信・対話する。

ガイドラインでは、企業内のガバナンスなどの仕組みを整備し、実際に現場で働く管理職や従業員の意識改革を促し、さらに企業外の市場などへ取り組み状況を発信し対話するという一連の流れが示されています。このような内容から、経済産業省が「ダイバーシティ2.0」の理念を企業行動として浸透させるため、総合的にガイドラインをデザインしていることが読み取れます。

また、先に述べた「100選プライム」や「なでしこ銘柄」など企業評価の仕組みをつくり、対外的な評価基準を示しています。これらは「ダイバーシティ2.0」を推進させる上での起爆材となり得るだけでなく、後に続く企業に実践のプロセスや方向性を示すのに役立つと考えられます。

企業を創る多様な人材を確保するために

以上、経済産業省が策定した「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」について見てきました。
この取り組みは始まったばかりであり、今後は女性の社会進出や経済・社会のグローバル化など様々なテーマと関連づけながら、より包括的なアプローチで「ダイバーシティ・マネジメント」の推進が図られると思われます。そして、その際には政府からの働き掛けや企業での取り組みだけでなく、仕事をする人たちのアクション、双方の対話も重要となってくることでしょう。

レオパレス21では、女性社員を対象としたキャリア啓発研修や育児・介護と仕事の両立を支援する制度などを整備することにより、「ダイバーシティ・マネジメント」を推進しています。2017年には「なでしこ銘柄」に準ずる企業として選定される「準なでしこ」に認定されており、企業としての様々な取り組みが評価されています。

レオパレス21のダイバーシティ&インクルージョン(多様な人材・働き方を育む取組み)
https://www.leopalace21.co.jp/corporate/wlb.html

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