【後編】目指すは子育てが「まちの力」で豊かになる社会! 「生活者からできること」を実践したSDGs活動『日常生活でSDGsの目標を意識し寛容な社会の土壌へと繋げる 〜認定NPO法人 こまちぷらす〜』

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「子育てが『まちの力』で豊かになる」という社会の実現を目指し、認定NPO法人「こまちぷらす」は様々な活動を行っています。

後編では、「こまちぷらす」が2017年から実施している、2030年までに達成すべき国際目標「SDGs(2015年9月の国連サミットで採択された“持続可能な開発目標”の略称)」に関する活動のこと、さらには、これから取り組んでいきたいことや今後の展望などについて、同認定NPO法人 経営企画室 渉外統括チーフの佐藤貴美氏(写真右)と、前編に引き続き代表を務める森祐美子氏(写真左)にも加わっていただき、おふたりに話をお聞きしました。

カフェスタッフの洗剤による手荒れをきっかけにSDGsへの取り組みをスタート

Q:「こまちぷらす」がSDGs活動に取り組むようになったきっかけについて教えてください。

佐藤:NPOや社会起業家など社会課題を解決しようとしている人たちと、社会課題解決に関心をもつ市民をつなぐ役割である「ファンドレイザー」という資格を保有して仕事をしています。
それでファンドレイザーを始め、多様な方々が集まる「FRJ(ファンドレイジング・日本)2017」に参加した時、「NGOや企業の間ではSDGsという言葉は共通言語ですよ」という話があったのです。
そこで、この話を「こまちぷらす」に持ち帰り、スタッフの皆さんと話をしたのです。

ちょうどその頃、スタッフさんの間で「洗剤を使うと手が荒れる」ということがちょっとした問題になっていました。
そこで、洗剤による手荒れをきっかけに「SDGsに取り組むことができるかも」と考えました。
毎日使う洗剤について考えることは、水や海、緑の大切さ、さらには地球を守ろうという意識にもつながると思います。このような日常の出来事をもとに、「生活者からできること」を実践しSDGsについて発信するようになりました。

SDGs活動への取り組みは現実を知ることから

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Q:具体的には、どのような形でSDGs活動に取り組んでいるのですか。

佐藤:「こまちカフェ」以外では主に、「手づくり雑貨マルシェ haco+」「つながりデザインプロジェクト」「ウェルカムベビープロジェクト」という3つのプロジェクトでSDGs活動に取り組んでいます。

「手づくり雑貨マルシェ haco+」という活動では、個人の作家さんからハンドメイド作品を仕入れ、「こまちカフェ」の一角で販売しています。その関連で、2018年春に作家さんを集めてオーガニックコットンの公開ミーティングを行ったのです。
この集まりでオーガニックコットンについて知ることができ、コットン生産の現場における環境問題や児童労働問題なども学ぶことができました。
そこでは「綿花の収穫で子どもたちに農薬被害が発生する」という話や、「児童の頃から厳しい労働をしている」という現実を知り、涙する作家さんもいらっしゃいました。「私たちができることは何だろう」と一人ひとりが考えるきっかけになった、この公開ミーティングが「こまちぷらす」全体でSDGsに取り組むスタートとなりました。

その時、作家さんたちの反応を見ていて、やはり社会問題などはまず知ることが大事だなと感じました。知ることによって、素材の調達方法がこれまでと変わるとか、普段の生活の仕方が変わるというようなインパクトを与えるのだと知りました。

「こまちぷらす」に参加していることがSDGsを達成する可能性につながる

Q:「つながりデザインプロジェクト」「ウェルカムベビープロジェクト」は、具体的にSDGsとどのような関わりを持つのでしょうか。

佐藤:「つながりデザインプロジェクト」では、登録ボランティアさんであるパートナー同士がつながる場として「パートナーぷらす会」(交流会や研修会など)が開催されており、2017年8月に開催した際、SDGsの話に触れる機会がありました。
その場では、「『こまちぷらす』に関わってくださることや登録していただいていること自体がSDGsの何かに寄与することにもなります」という話をしました。

その話をした時、聞いているお母さんたちの表情がキラキラと輝いてきたのが分かりました。
「普段の私たちは何もできていないと思っているけれど、『こまちぷらす』に参加することで、少しでも、世界の誰かのためになっているのかもしれない」と自らの価値を感じることで、自分自身の自己肯定感などにもつながっているのだと感じました。

また「ウェルカムベビープロジェクト」では、お母さんたちに配布しているリーフレットを2018年からSDGsに関連したものに変えました。
出産したお母さんにプレゼントされる商品やサービスを掲載するにあたっては、例年より文字を少なくコンパクトなサイズにしたことで、子ども達の未来を担うお母さん達に、「SDGsを知っていただくきっかけ」になるようなリーフレットになりました。

10年後、20年後には、様々な人たちが子育てに関わるダイバーシティ社会の実現へ

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Q:「こまちぷらす」の今後の取り組みや展望について教えてください。

森:10年後や20年後には、「父親や母親だけではなく、様々な街の人たちが子育てに関わっている」、そんな社会の実現を「こまちぷらす」は目指しています。そして、街の人たちで子育てをすることを具現化したカフェとして、「こまちカフェ」を日本だけでなく世界中から視察に訪れるような最先端のカフェにしたいのです。

私たちは、「こまちカフェ」を多店舗展開して大きくすることは考えていません。規模を求めるのではなく、「こまちカフェ」で生み出している価値を世界中の人たちと共有していきたい、そう考えています。

また、「おむつの自動販売機」(前編参照)のような、子育ての助けになる新たなインフラをさらにつくり出していきたいと思っています。
自動販売機といった既に存在するインフラに掛け合わせて活用していくイメージです。
既存インフラを活用すれば、始動までのスピードが速いですし、コストもあまり掛かりません。2019年度には最低もうひとつ、できればもう2つの新たなインフラを生み出したいと計画中です。

街の人たちがみんなで子育てに関わることが、ダイバーシティ社会や女性が活躍する社会の実現にもつながります。「こまちぷらす」の活動は、少子高齢化に悩む日本にとっての明るい話題と言えるのではないでしょうか。

(プロフィール)

認定NPO法人 こまちぷらす
代表/理事長
森 祐美子

2003年4月にトヨタ自動車株式会社に入社、海外営業や海外調査に従事。孤立しやすい「子育ての環境」を次世代に引き継ぎたくないと思い、同社退職後、2012年2月に6人のママ友たちと「こまちぷらす」を設立。2013年にNPO法人化。2019年6月20日、認定の認証を取得。現在、約50人のスタッフや約150人のボランティアスタッフ(こまちパートナー)とともに複数の事業(横浜市戸塚区における「こまちカフェ」の運営や、出産祝いを街の皆で届ける「ウェルカムベビープロジェクト」など)を展開。また、地元商店会の副会長、横浜コミュニティカフェネットワーク世話人を務める。

認定NPO法人 こまちぷらす
経営企画室
渉外統括チーフ
佐藤 貴美

前職での育児休業中に「ファンドレイジング」という言葉と出会い、寄付の可能性と持続可能なNPOのあり方に関心を持つ。2015年からは民間企業での経験を活かして「こまちぷらす」のファンドレイザーとして勤務。2018年より現職に就任し、現在に至る。ビジョン達成に向け渉外業務全般を担うかたわら、「生活者」とSDGsをつなぐ活動を外部に向けて発信する役割も担う。

認定NPO法人 こまちぷらす
https://comachiplus.org/

SDGsについて
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

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