2020年に向け厚労省が推進する介護予防のための地域支援事業「通いの場」とは? 専門職によるフレイル対策

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我が国の高齢者数は年々増加しています。平均寿命が長くなるに従い、75歳以上の後期高齢者が総人口の約13%(2016年現在)を占めるなど、高齢化社会は進行しています。

加齢とともに要介護状態になる割合が高くなることから、厚生労働省はその要因となるフレイル対策のための法整備を進めています。2020年に実施が見込まれている介護予防事業について解説します。

フレイルとは

フレイルという言葉は、海外の老年医学分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」が語源であり、日本語では「虚弱」や「老衰」、「脆弱」という意味で使われています。
学術的な定めはまだありませんが、2015年に発表された「後期高齢者の保健事業のあり方に関する研究」(厚生労働科学特別研究事業)では、加齢とともに、心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱化が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」と定義しています。

フレイルの原因

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フレイルは、低栄養、転倒、嚥下・摂食機能など身体面の低下や認知機能の低下、意欲や判断力の低下、抑うつなどの精神面など、高齢に伴う様々な要因により起こります。
さらに、他者との交流の機会が減少する社会的側面も相互に関係しているため、要因を取り除くためには孤立を防ぐなど、多くの側面に総合的に働き掛ける必要があるとされます。

フレイルの基準

様々な判断基準がありますが、Friedの提唱した判断方法が最も分かりやすいと言われています。体重減少、疲労倦怠感、身体活動量低下、歩行速度低下、握力低下の5項目の内、 3 項目以上に当てはまればフレイルとされ、1? 2 項目が当てはまる場合はフレイル前段階と定義されます。

多くの場合、高齢者はフレイルを経て要介護状態へ進むとされ、特に後期高齢期の進行は顕著に現れます。一見健康そうに見える方でも、加齢によって筋力が衰え、肉体的には虚弱状態という場合もあるかも知れません。早期にフレイルに気づき、正しい治療や予防をすることが健康寿命延伸の第一歩と言えるでしょう。

現状の課題

高齢者の保健事業は、「高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進」として国庫補助金により助成されていますが、フレイル対策を実施している地域は限られているなど、地域格差が見られます。
また、2014年の介護保険法改正以降に、介護予防に取り組む「通いの場(高齢者サロンや生活支援等サービスなど)」の拡大が推進されたものの、2016年度の高齢者の参加率が4.2%と低迷していることから、運動、口腔、栄養などフレイル対策を含めた内容の見直しも求められています。

生活習慣病対策・フレイル対策(医療保険)と 介護予防(介護保険)がそれぞれ別の制度で実施されているほか、医療保険の保健事業は、後期高齢者医療制度に移行する75歳を境に保険者・事業内容が異なる点や、後期高齢者医療広域連合は、都道府県ごとに管内の全市町村で構成される特別地方公共団体であり、組織の特性上、保健事業を実施する体制整備に限界があることが指摘されていました。
厚生労働省は高齢者のフレイルを防ぐ対策の強化に向けて、介護保険の介護予防と医療保険の保健事業を一体化。より効率的で成果の出るスキームへの変革を目指しています。

厚生労働省は、予防・健康づくりの推進として次の2項目を行うとしています。
1. 高齢者の「通いの場」を中心とした介護予防(フレイル対策を含む)と生活習慣病などの疾病予防・重症化予防の一体的実施
2. 「通いの場」の拡大、高齢者に対して生きがい・役割を付与するための運営支援、かかりつけの医療機関などとの連携

予防介護事業を強化することを目的に、市町村の地域支援事業で開催されている「通いの場(高齢者サロン)」の高機能化が検討されています。後期高齢者医療制度の保険者や国による費用負担により、保健師や栄養士、歯科衛生士、リハビリテーションスタッフなどの専門職を配置するとともに、フレイルチェック、保健指導など、医療の視点に基づく支援を充実させることで、かかりつけ医などへの受診勧奨や、保健指導の情報共有を図るなど、地域ぐるみで介護・フレイル予防を一体的に実施し、健康寿命を伸ばしたい考えです。

「通いの場(高齢者サロン)」成功事例

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「通いの場(高齢者サロン)」の効果が現れ始めています。
日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクトが愛知県武豊町の「憩いのサロン」に通う利用者の状況を検証しました。サロンでは軽い体操、おしゃべり、ゲームなどが行われていますが、サロン開設から5年の観察期間においてサロンに頻繁に参加していた人は、そうでない人と比べて要介護認定を受けるリスクが半分であるというデータが示されました。
地域の人々とリラックスして交流できる場所や機会が、寝たきり・認知症・うつなどの予防に役立つことが、調査研究から分かってきています。

今夏には新たな「健康寿命延伸プラン」の発表も!

2019年の夏に厚生労働省は「介護報酬上のインセンティブ措置の強化」「身近な場所で高齢者が定期的に集い、体を動かす場の大幅な拡充」「スポーツジムなど民間事業者との連携の強化」など注力していく施策を盛り込んだ「健康寿命延伸プラン」の発表を予定しています。人生100年時代を健康に過ごすために、今後の動向が注目されます。

レオパレス21は有料老人ホームあずみ苑をはじめとした入居サービスのほか、通所・訪問系など様々な介護サービスを展開。満足いただけるホスピタリティをご用意しております。フレイルを防いで、心身ともに健康な毎日をお過ごしください。

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