首都圏の事例から見るSDGsを取り入れた先進的な街づくりとは?

ソーシャル

関連キーワード
SDGs
2030年までに達成すべき国際的目標として掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)、その目標11は「住み続けられるまちづくりを」です。
地球規模で見ると、2050年には世界における都市人口が65億人、つまり総人口の3分の2に達する見込みで、そのため持続可能な開発達成には、都市空間の整備と管理方法を変えることが必要となります。
膨大なエネルギー消費、大気汚染・廃棄物といった環境問題への対処をはじめ、住み続けることのできる都市を実現するための様々な取り組みが、今まさに求められているのです。

日本でも、「環境未来都市」構想のもと、各自治体がSDGsを取り入れた街づくりに取り組んでいます。

「環境未来都市」構想は国の「新成長戦略」(2010年6月閣議決定)に位置づけられた国家戦略プロジェクトのひとつです。
その内容は環境や超高齢社会の問題にも対応し、持続可能な経済社会システムを持った都市と地域づくりを目指すものとなっています。

こうした考え方を取り入れた街づくりを行っている首都圏の自治体の事例を3例ご紹介します。

1 神奈川県相模原市の取り組み

大手新聞社の「全国市区・サステナブル度・SDGs先進度調査」において、相模原市が全国6位に評価されました。
これは2018年10月から11月にかけて行われた調査で、SDGsの観点から全国815市区を対象に、「経済」「社会」「環境」のバランスがいかに取れているかを評価したものです。

相模原市による取り組みで高い評価を得た内容について、それぞれの項目別にまとめてみました。

「経済」:1人当たりの課税所得や1人当たりの製造品出荷額、実質公債費比率が評価につながりました。

「社会」:貧困対策や子育て支援事業、いじめ防止対策や保育所への徒歩圏カバー率などが評価されています。

「環境」:ごみのリサイクル率や再生エネルギーの助成制度、大気・水質などの環境施策の測定と公表が評価されました。

相模原市の各項目の全国順位を見ると、「経済」が147位、「社会」23位に対して、「環境」は5位にランクされています。
このように「環境」への評価が高い背景には、市が2013年4月1日に施行した「相模原市地球温暖化対策推進条例」があります。これは地球温暖化対策に関する市・事業者・市民の責務を定めたものです。

主な内容として、次のような事項が盛り込まれています。

1.市の責務
・地球温暖化対策を総合的かつ経済的に推進すること
・事業者と市民、民間団体とが連携して地球温暖化対策を推進し、事業者や市民などの取り組みを推進すること
・市自らの事務・事業に関して温室効果ガスの排出削減の措置を講じること

2.事業者と市民の責務
・事業活動や日常生活で温室効果ガスの削減に努めること
・市が実施する地球温暖化対策に協力すること

さらに市の具体的な取り組みとして、以下のような対策を講じることを定めています。

・地球温暖化対策実行計画の策定
・地球温暖化対策実行計画を策定した中小規模事業者への支援
・地球温暖化対策に関する教育や学習の推進
・地球温暖化対策を推進するための組織に対する支援
・地球温暖化対策推進会議の設置

相模原市では市が率先して街づくりに取り組むとともに、事業者や市民にも協力を要請する形でSDGsを取り入れた街づくりを実現しようとしています。

2 埼玉県戸田市の取り組み

SDGs
戸田市では「環境」と「経済」の融合を図り、豊かな自然と人が調和する街づくりに取り組んでいます。そこで、戸田市環境経済部が掲げる4つの課題や問題点と、それらについてどのような具体的施策の方針(2018年度)が示されたのかをご紹介します。

目標1. 省エネ行動でライフスタイル・ビジネススタイルの転換を図ることで、低炭素型の街づくりを目指す
【具体的な取り組み】
・環境配慮型システムの設置や電気自動車など導入への補助の周知を強化

目標2. 地域に密着した公園づくりで快適性を確保する
【具体的な取り組み】
・戸田ヶ原自然再生事業でサクラソウの育成や野生動植物の再生を図る
・戸田華かいどう21計画に基づき、合意書緑地を集約している川岸で環境空間暫定整備事業の実施設計を行う
・新設公園の設計と既設公園の老朽化した施設の改修

目標3. ごみの減量化とリサイクル推進で循環型社会を形成し、安全・安心な暮らしを実現する
【具体的な取り組み】
・市内事業者に対する情報発信を強化し、環境マネジメントシステムの導入推進を図る
・ごみの再資源化やリサイクルフラワーセンターによる生ごみリサイクルを推進し、食品ロス削減に向けた取り組みを実施

目標4.新技術・新商品開発の支援と起業支援、成長産業誘致と女性活躍応援により地域資源を生かす都市型地域産業を構築する
【具体的な取り組み】
・優良企業の誘致に向けて工場の新設・増設における補助を継続、あらたな事業用物件探しをサポート
・女性の趣味や特技をビジネスにつなげるチャレンジショップ事業を実施
・戸田市商工会が実施する経営・融資相談を活用して自立した事業者の育成に努める

このように戸田市は環境整備を軸にSDGsに取り組み、具体的なアクションを明示しています。
そして、企業誘致による経済発展と環境整備を実現しようと取り組んでいます。
また、自然環境への取り組みが評価されて、2016年には「生物多様性に優れた自治体ランキング」では665の自治体の中で1位となっています(川崎市・神戸市・伊丹市と同率1位)。

3 千葉県柏市の取り組み

SDGs
柏市ではエネルギー問題や超高齢社会への対応といった課題に対して、SDGsにつながる3つの解決モデルをコンセプトに、公・民・学が連携する形で新しい街づくりを進めています。

具体的に以下のような取り組みがあります。

1. 健康未来都市の実現
商業施設内に、まちの健康研究所「あ・し・た」を開設して健康づくりをサポートしています。
「あるく(歩行・運動)・しゃべる(コミュニケーション)・たべる(食生活)」をテーマに、地元のNPO法人スタッフが運営し、親しみやすい雰囲気を生み出しています。

2.新産業創造都市の実現
KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)をオープンし、創造的なビジネス拠点となるオフィス空間を提供しています。
ここでは専門家がベンチャー起業を支援するためのアドバイスをしたり、国内外の起業家とのネットワークを構築したりすることで、地域経済の発展を目指しています。

3.環境共生都市の実現
非常時スマートエネルギーシステムを構築しています。東日本大震災後にはエネルギー不足により計画停電を実施し、その対応として太陽光発電や自営送電網などを整備してきました。
エネルギーのマネジメントは柏の葉スマートセンターで行っています。平時は電力のピークカットを行い、省エネとCO2削減を図ることでSDGsの目標達成を目指します。

このように柏市では、市と民間企業やNPO、さらに教育・研究機関、いわゆる公民学連携で、SDGsを取り入れた暮らしやすい街づくりに取り組んでいます。

まとめ

いずれのケースでも官民が連携してSDGsへの取り組みと街づくりを目指していることがわかります。国や自治体などが主導するのはもちろんですが、企業やNPO、そして市民がSDGsへの取り組みを意識することが大切と言えます。

例えばレオパレス21でも、太陽光発電による環境負荷削減や、ZEH住宅の建設などを通じて低炭素社会への貢献を進めています。

その他のおすすめ記事

その他のソーシャルの記事

キーワード一覧

 ページトップ