【後編】学童保育の現状と未来。「子育てから江戸川区の未来を考えるネットワーク」とは? 『年少人口が減りつつある江戸川区で、どうしたら子育てがしやすくなるのかを考え、行政に働きかけていく 〜子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)〜』

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年少人口の比率が下がり続けている江戸川区の未来に危機感を抱き、「子育ての環境を良くすることから江戸川区の未来も変えていきたい」と考える市民団体「子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(略称:えどみらこ)」(以下、えどみらこ)。
前編に引き続き、「えどみらこ」メンバーの島宗幸子さんに、「えどみらこ」が考える子育ての理想などについてお聞きします。

「えどみらこ」の活動により学童保育の預かり時間が30分繰り上がる

えどみらこ
Q:島宗さんから見た江戸川区の学童保育の現状はどうですか。

A:江戸川区で学童保育に相当する「学童クラブ」では、預かり時間が午前9時から午後6時の間でした。
そのため、夏休み中や春休み中などの学校休業日は親が先に出勤した後に子どもが1人でカギを掛けて「すくすくスクール」の「学童クラブ」に行くというパターンが多くなります。また、「学童クラブ」が終わった後は塾に行って親の帰宅時間を待つという子どもも少なくありません。
そのようななか、今年から土曜日・学校休業日の「学童クラブ」の預かり時間が午前8時30分からと30分繰り上がりました。こうした変更は、私たちが要望したからという理由だけでは無いのでしょうが、声を上げ続けた結果のひとつだとは思っています。これは、とてもありがたいことですが、8時30分ではまだ十分に対応できた時間とは言えないようです。

それから、「学童クラブ」には補食(おやつ)の問題もあります。
「学童クラブ」では1週間分のおやつを持参して、毎日そこから食べて良いことになっていますが、午後5時からと指定されています。その理由は指導員の手が足りないことです。おやつが必要な児童は別室に集まって食べるのですが、その際は指導員が立ち会うことになっています。午後5時までは「すくすくスクール」もありますので、指導員の手が空くのが午後5時からというわけです。
しかし、小学校低学年だと午後5時まで食べられないのは辛いですし、午後5時を過ぎると帰ってしまう児童もいます。
そうした点でも指導員の拡充ができたら良いと思っています。

江戸川区では子どもを食から支援する事業も展開

Q:江戸川区では子育て支援事業として「食の支援」も行っていますね。

A:はい。「子ども食堂」と「〜できたて食べてね〜おうち食堂」、「KODOMOごはん便」の三つですね。
「子ども食堂」は江戸川区内20カ所以上の地域のボランティアが開催している食堂です。1食分100円から300円程度で誰でも利用できるので、私自身も何度か利用したことがあります。
また、「〜できたて食べてね〜おうち食堂」は、一家庭年間48回を上限に、食事支援ボランティアが家庭に直接出向き、買い物から調理、片付けまで自己負担金ゼロで行っている事業です。家庭で手づくりのできたての食事を提供しますので、いつも帰宅が遅くなる保護者にとってはうれしい試みだと思います。
「KODOMOごはん便」も、一家庭年間48回を上限に、区内の仕出し弁当組合による1食470円で誰でも利用できる手作り弁当を、自己負担金100円で届けてくれる事業です。
この「KODOMOごはん便」は住民税非課税の世帯が対象のために、多分私は使えません。しかし、常々便利なサービスだと思っていますので、負担金を上げてでも利用できるようにしてほしいなと考えています。

学童保育は、従来からの“児童館”という概念ではなく“生活の場”としてあるべきではないか

えどみらこ
Q:「えどみらこ」さん並びに、島宗さんが考える、理想の学童保育とはどういうものでしょう。

A:学童保育は毎日のように通うものです。そのため、本来は“生活の場”であり、“家庭”のようであるべきではないかと考えています。“生活の場”ということは、家にいるのと同じように何もせずボーッとしている時間や本を静かに読んでいるだけの時間があっても良いと思っています。
しかし、今の学童保育は“生活の場”というよりは、いわゆる従来の“児童館”の概念のままです。みんなで遊ぶという活動をする場としてはそれで良いのですが、現状では何もせずボーッとしてそこにいるという場にはなりにくいのではないでしょうか。

また、「すくすくスクール」の指導員はどちらかと言えば、子どもたちが安全に遊んでいられるよう見守るといった役割が主体です。もちろん、その役割も大切だと思います。ただ、通常であれば見守るだけで良いのですが、何らかの問題がある子ども、問題が発生した子どもに対して、その子に寄り添ってあげられるだけの余裕がないのではとも感じています。

指導員の方たちはしっかりとやってくれていると思いますが、かなり大人数の子どもたちを見ているので、それは大変でしょうね。人数が多いとどうしても子どもたち一人ひとりに目が行き届かないということもあるでしょう。

例えば、私の子どもが「学童クラブ」を利用していた時、夏の暑い日に指導員に対して「疲れた」と話したことがあったそうです。しばらく座って待機していたのですが、下校時に歩いていて熱中症で倒れてしまったことがありました。指導員にはそういうところまで目が届くようになってほしいですね。そのためにはやはり、指導員の数を増やしていくことが必要でしょう。

Q:最後に、「えどみらこ」として今後、目指しているところを教えてください。

A:「えどみらこ」のメンバーは全員が仕事と育児をしながら、その合間を見て活動しています。そのため、活動自体が素早いスピードで進むというわけにはいかないのですが、そこで活動を止めてしまうと私たちの声は行政に届かず、その声自体もなかったことになってしまいます。そこで今後も引き続き、保護者の方の声を集めて、そうした声を行政に届けていくことを続けたいと考えています。
その時、どのような枠組みで届かせるのかは検討していかなければなりませんが、行政と保護者が対話できるようなプラットフォームづくりをしていけたらと思っています。

(プロフィール)
市民団体 子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)
メンバー
島宗 幸子(しまむね・さちこ)

2016年から、保育園にお世話になった保護者たちでつくる市民団体「みらい子育て全国ネットワーク(みらこ)」に参画。この団体では、子育てをしながら働くことの難しさを改善していく活動を行う。その後、江戸川区内で同じように子育てをしながら働く仲間とつながり、2018年3月に市民団体「子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)」を立ち上げ、代表として活動を続けていくようになる。現在、小学校6年生と小学校2年生の子どもを育てながら、フルタイムでの仕事を続けている。

市民団体 子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)
メンバー
細野 笑実(ほその・えみ)

保育園の「待機児童問題を考える会」で島宗氏と知り合う。周囲の保護者たちが「保育園に入れないなら、入るためにはどうすればいいのか?」ということまで考えが至らず、声を上げない保護者側にも問題があるのではないかと考える。そこで「子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)」結成当時からのメンバーとして参画し活動を行う。現在、時短勤務をしながら小学校1年生と保育園の2歳児クラスに通う二人の子どもを育てている。

子育てから江戸川区のみらいを考えるネットワーク(えどみらこ)
https://twitter.com/edomiraco

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