ICT活用で保育士の負担軽減?待機児童問題の解決のため、まずは保育士の離職率低下など人員確保を目指す動き

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待機児童問題がなかなか解決しない中で、ICT活用による保育士の負担軽減と人材確保を目指す動きがあります。

今回は保育士の離職率低下も期待できる保育施設でのICT活用とその課題について紹介します。

保育士不足の要因、待機児童問題が解決しない理由とは?

まずは、待機児童問題の原因のひとつである保育士不足の理由についてみていきます。2019年4に厚生労働省が発表したデータによると、2018年10月時点の全年齢待機児童数は4万7198人です。前年同月比で8235人減少したものの、依然として待機児童は多い状況です。

少子化が進む中で待機児童問題が解決しない理由には、以下のようなものがあります。

1.女性の出産後就業率が上昇し保育ニーズが高まっている
2.保育士の確保が追いついていない
3.地方では過疎化により保育園が減っている

1.に関しては、内閣府の「「第1子出産前後の女性の継続就業率」及ひ? 出産・育児と女性の就業状況について」によると、第1子出産前有職率は2005年からあまり変わらないものの、出産前後での就業継続率は2005年?2009年の28.9%から2010年?2014年の38.3%と増加しています。第2子出産、第3子出産の場合には出産前就業率も上昇し就業継続率はそれぞれ28.2%から32.6%に、32.6%から41.5%に増加しています。

このように保育ニーズが高まる一方で、2.のように保育士の不足が顕著とされています。厚生労働省のデータによると、2018年11月時点での保育士の有効求人倍率は3.20倍、都道府県別では東京都が最も高く6.44倍となっています。

保育士の不足は業務の負担の重さも理由

2014年に東京都福祉保健局が発表した「東京都保育士実態調査報告書」によると、就業中の保育士へのアンケートで職場に求める改善点は次のようになっています。

1.給与・賞与等の改善(59.0%)
2. 職員数の増員(40.4%)
3.事務・雑務の軽減(34.9%)
※複数回答あり

そして、就業中で退職意向を持つ人へのアンケートでは、その理由は次のようになっています。

1.給料が安い(65.1%)
2.仕事量が多い(52.2%)
3.労働時間が長い(37.3%)
※複数回答あり

就業中あるいは退職した保育士へのアンケートから、給与の安さとともに仕事量の多さにつながる事務・雑務の軽減を課題とすべきことが分かります。

保育士の負担軽減にICT活用が役立つ

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政府が2017年6月に策定した「子育て安心プラン」には6つの支援パッケージが設定されており、そのひとつに「保育の受け皿拡大を支える保育人材確保」があります。そして、この取り組みの中で、保育士の業務負担軽減のための支援として、ICT化が取り上げられています。

ICTとは「Information and Communication Technology」を略したものです。情報通信、情報伝達の技術と捉えられますが、保育現場では保育士の雑務をIT技術でカバーするといったことになります。

IT技術の導入事例として下記のようなものがあります。

・登園・降園状況の確認
・延長保育の状況等の確認
・連絡帳・日誌作成
・指導計画の作成
・給付費請求に関する事務
・職員のシフト作成、出退勤管理
・行事写真の閲覧・販売・集金・配布

負担の大きい作業としては書類作成が挙げられますが、パソコンを使わずに手書きで行うケースもみられます。
ここに保育士の負担を軽減する余地があると考えられます。そこでICT化により業務効率を向上して負担感も軽減すると、離職率低下につながることが期待できます。

保育園でICT活用が普及しない理由

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保育園ではICTが活用されていない課題もあり、その理由として、以下のようなものがあります。

1.インフラ整備が不十分
・園にパソコンがない、あるいは通信環境が未整備
・導入システムやツールに関するアフターフォロー体制が必要
・ハード面の環境整備推進には、補助金など政府主導の取り組みが必要

2.スタッフのITスキルが不十分
・運用者側のICT教育が必要
・保育現場のリスクマネジメントが必要
・一時的に発生する新たな業務負担増加への対応が必要

3.導入メリットが不明確
・現場でIT機器導入メリットの明確化が必要
・現場での円滑はICT化に向けて、園長・現場職員・保護者の意識改革が必要

保育園での ICT普及のためにできること

保育現場でICTを導入し、保育士の負担を軽減して離職率を下げるためには、以下のような取り組みが有効と考えられます。

1.保育所などにおけるICT導入事例の普及啓発を図る
2. 保育士などのITスキル向上のために、研修自体にもICTを活用しIT機器の使用における抵抗感を払拭する
3. 各保育所などの情報提供があまり行われていないことから、情報提供のあり方について検討する
4. 保育に関する給付事務手続きが自治体によって異なるため、事業所を複数展開する事業者の手続き負担を軽減する必要がある

保育施設におけるICT化に対する補助金

保育園などにおけるICT化に対して、市町村から補助金が交付されます。内容としては、システムの導入費用として1施設あたりの補助金は100万円です。保育に関する計画・記録、保護者との連絡、子どもの登降園管理などの業務のICT化に必要なシステムの導入費用の一部として支給されます。

待機児童問題の原因のひとつである保育士不足は、保育施設におけるICT化により軽減が期待できます。現場でのITスキル向上などの課題はありますが、ICTシステムが普及することで、保育士の負担が軽減していくことでしょう。

レオパレス21は子育てサポート企業としてのプラチナくるみん認定を受けています。保育所に入園できない場合には育児休暇を3歳の誕生日前日まで延長したり、テレワーク(在宅ワーク)を導入したりするなど子育て支援に取り組んでいます。

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