厚生労働省が「介護現場革新会議」を発足。さらなる高齢化社会に備えた介護業界の体制整備

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介護現場革新会議
平成30年12月に初会合が開かれた「介護現場革新会議」は、今後、さらに進む日本の高齢化社会に対応すべく、介護現場の体制の整備、および介護現場の負担軽減を目標に開催されました。
高齢化社会が進む中で、需要と供給のバランスが崩れかけている介護事業が、今後、この会議を通してどのように変わっていくのかを検証します。

日本の労働人口の現状とこれからは?

まず、最初に押さえておきたいポイントは、日本の労働人口の現状とこれからです。
2019年8月現在、総務省統計局による「労働力調査」では、日本の就業者数は6751万人です。これが2040年になると5650万人に減少すると見込まれており、実に1101万人の労働力が失われる計算です。

労働力が失われていく一方で、高齢化社会は着実に進行し続けます。いわゆる「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる2025年以降、介護の現場ではより一層の人手が必要となり、逆に労働力は減少し続けることになります。

ただでさえ、多くの企業が人手不足にあえぐ中、ハードなイメージが強い介護職に対し、何かしらの手段を講じ、人材の確保や介護職員の負担軽減を実現させ、来るべき超高齢化社会に対応しようというのが「介護現場革新会議」の目的です。

介護事業の現状とニーズの増加

介護現場革新会議
介護事業の雇用の現状は、厳しい状況です。厚生労働省が取りまとめた「介護労働の現状」から就業形態を見ても、実に約4割近くの介護職員が非正規職員です。
さらに離職率の高さも目立ち、平成28年度には離職率16.7パーセントを記録しています。
離職率に関しては多々ありますが、人間関係や結婚・出産といった理由が多く、次いで給料の問題などが要因として挙げられています。

今後、高齢化社会により、確実にニーズが増える介護職の人材を確保することは、国としても重要な課題です。「介護現場革新会議」では、人手不足の中、確実に増えるニーズに対応するために、3つの対策を打ち出しています。

介護現場革新会議の掲げる対策とは?

介護現場革新会議では今後の高齢化社会に介護施設が対応するための対策として以下の3つを打ち出しています。

1.人手不足の状態でも介護サービスの質の維持・向上が可能なマネジメントモデルの構築
2.ロボット・センサー・ICT の活用
3.介護業界のイメージ改善と人材の確保

まず、最初の介護サービスの質の維持、向上を目指すマネジメントモデルの構築ですが、介護という仕事には、食事、入浴、排泄、口腔栄養、機能訓練、看取り、見守りといった多くの業務が含まれます。
これに加えて介護利用者一人一人に対し、その人に合ったケアが必要となりますので、介護職員の負担は想像以上といえます。人手不足という大きな問題や、今後確実に訪れる超高齢化社会とニーズの増加に対応するため、介護職員の負担は少しでも減らさなければなりません。

介護現場革新会議では、このような現状を踏まえ、各介護現場の業務を洗い出し、専門的な業務と、それ以外の業務に切り分けることを検討しています。
具体的には「経験、技能を有する専門職が行うべき業務」「他の専門職が行うべき業務」「専門職でない職員が行える業務」に切り分けることです。
業務を切り分けることで、経験、技能を有する介護職員が、介護のみに専念できる状態の構築が検討されています。
介護に直接関係しない周辺業務を、地域の元気な高齢者に担ってもらう制度もすでに実施されており、いわゆる「元気高齢者」が介護助手として活躍しています。
これによって介護職員の負担は大きく減少し、介護サービスの質が落ちることもなくなってきました。
この取り組みは今後の高齢化社会に対し、一定の効果が期待されています。

次に、ロボット・センサー・ICTの活用ですが、現状では介護職員が利用者の状況を逐一確認することで、事故を予防しています。
しかし、このような仕組みでは、介護職員は気の休まることがなく、落ち着かない状況で待機していなければなりません。
24時間管理のモニターを利用者の部屋に設置し、何らかの異常が発生した場合には、すぐさま介護職員に報告されるシステムの導入や、記録作成帳票の手書きをスマホやパソコンによる簡易的なデータ入力に置き換える機能の導入。
インカムを利用して、離れた場所にいる介護職員に対し、指示や助力を瞬時に伝えられるシステムの導入など、ハイテク機器をうまく利用することで、介護職員の負担軽減や人的不足を補うことが期待されています。

最後に3つ目の介護業界のイメージ改善と人材の確保ですが、離職理由の上位となっている人間関係や結婚出産といった理由による離職理由を受け止め、改善するための取り組みが検討されています。
介護というのは特にチームケアが必須となる職種です。チーム内で関係がギクシャクしてしまうと、質の高いサービスは提供できず、介護職員にも心の負担が増し、結果として離職に繋がります。
介護職員の心のケアを行う窓口の設置や、結婚、出産、子育ての最中でもしっかりと働ける環境作りの推進が、介護業界の人材を確保・維持するための急務といえるでしょう。

介護現場革新会議のパイロット事業とは?

介護現場革新会議
介護現場革新会議では、今回解説してきた事業の実施を、すでに全国7カ所の自治体にパイロット事業として要請しています。この7自治体が実際に事業を実行し、その内容をブラッシュアップさせ、ノウハウを全国に横展開させていく予定です。

パイロット事業を展開するのは以下の7自治体です。

・宮城県
・福島県
・北九州市
・神奈川県
・三重県
・熊本県
・横浜市

すでに三重県では、介護助手の効果的な配置を検証。熊本では学生に介護の魅力を伝える取り組みを行うなど、来るべき超高齢化社会への対策が開始されており、今後の横展開にも期待が高まっています。

レオパレス21では「こころの元気」を合言葉に、お客様とご家族様が安心、快適にご利用できるあずみ苑を運営しており、高齢化社会と介護問題の解決にも積極的に取り組んでいます。

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