【前編】高齢ドライバー見守りサービス「Ever Drive」とは?専用車載機搭載により家族に通知『運転状況を共有するサービスの概要〜オリックス自動車株式会社〜』

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高齢ドライバーによる事故が社会問題化するなか、高齢ドライバーは運転をやめるべきという風潮がある一方で、地方では車がないと生活できないという問題もあります。
そんななか、オリックス自動車では高齢ドライバーの運転を見守るツールとして、「Ever Drive」を2017年より展開しています。
オリックス自動車株式会社リスクコンサルティング部テレマティクス相談デスク 課長の中村健太郎氏と櫻井泰崇氏に、前編では「Ever Drive」の開発背景やサービスの内容について伺いました。

社会的なニーズから、高齢ドライバーの見守りサービスを開発

Q:オリックス自動車はどういった事業を手がけられていますか。

櫻井:弊社では法人向けの自動車リースをメインに、レンタカーやカーシェアリングなど、自動車サービス業を総合的に手がけています。
法人向けの事業では、メンテナンスや給油カード、ETCカードといったサービスも提供しています。
私が所属するリスクコンサルティング部は、自動車を使用する企業にとって必要な法規に則った車両管理手法や交通事故抑制に向けた安全運転教育など、お客様の車両管理の実態を把握しながら、各種コンサルティングを実施しています。

Q:「Ever Drive」を開発された背景を教えてください。

櫻井:「Ever Drive」は、2006年から企業向けに展開しているテレマティクスサービス「e-テレマ」をベースに、個人向けに開発したサービスです。
「e-テレマ」は2019年9月末で約2400社、約15万8000台に導入いただいています。
車に専用の車載機を搭載し、位置情報や速度情報などを取得することで、急ブレーキ・急加速・速度超過といった危険な運転を検知した際に、リアルタイムで上司など管理者にメールでお知らせするといった機能があります。

「e-テレマ」による安全対策が効果を上げていたことから、以前より法人や自治体などから、個人向けにサービスを展開できないかという声がありました。また、高齢ドライバーによる交通事故が連日報道されるなかで、これまでのサービスで培った交通事故削減のノウハウを少しでも社会課題の解決のために活かせないかと考え、高齢ドライバーとご家族向けに、運転見守りサービスとしてリリースしたのが「Ever Drive」です。

中村:「e-テレマ」を高齢ドライバー向けのサービスとして転用するにあたって、初めはドライバー自身の安全運転の促進を目的としてサービスを提供するという発想を持っていました。
しかし、様々な調査をしていくなかで、50年も60年も日常的に運転をされてきた高齢ドライバーの方々に、すぐに運転スタイルを大きく改善していただくことは難しいと感じました。
そこで、ご本人はもちろん、ご家族の方に運転状況を知っていただくことが、結果的にドライバーの安全運転をサポートすることになると感じ、車を使った見守りサービスとして展開することにしました。

運転状況を把握し、コミュニケーションをとるためのツールに

高齢ドライバー見守りサービス
Q:「Ever Drive」のサービス内容について教えてください。

櫻井:車の機能を制御するのではなく、可視化されたドライバーの運転状況をもとに、ご本人とご家族との間でコミュニケーションをとっていただき、安全運転を続けていただくためのサービスです。「Ever Drive」も車載器を装着し、時間や速度情報などを取得する点は、法人向けの「e-テレマ」と同じですが、個人のお客様に運転状況を直感的にお伝えするために、サービス画面のデザインや要素を変えています。

サービス画面では、エンジンを入れてから切るまでの出発位置と帰着位置が地図上に表示され、走行軌跡も描かれます。
走行軌跡上で危険な運転をしている箇所は、マークで表示されます。また、「今どこサーチ」という機能では、リアルタイムで現在位置を知ることが可能なため、携帯を家に置いたまま車で出かけてしまって連絡がとれない、あるいは今どこまで戻って来ているのか知りたいといったときも安心です。
加えて、急ブレーキ・急加速・速度超過という3つの危険運転の発生回数推移も確認いただくことができます。

Q:高齢ドライバーの運転状況を把握することで、ご家族はどのように活用することができるのでしょうか。

櫻井:日々の運転状況を見比べて、コミュニケーションをとるツールにしていただくことを想定しています。
例えば、急ブレーキの回数が増えている場合、視力など体調の変化はないか聞いてみるといったことが考えられます。
また危険な運転をした箇所や時間を把握して、その場所や時間の運転を避けるように促したり、普段に比べて長時間運転が多いときは、随時状況を確認することができます。
運転の経路も表示できますので、同じところをぐるぐる回っているようなケースでは徘徊運転の可能性が疑われます。

中村:高齢ドライバーの多くは、趣味ではなく生活のために車に乗っています。
日頃、車で月に何回病院に行っているのか、週に何回買い物に行っているのかなど、生活自体を把握することもできます。
行先の履歴をもとに、普段車で訪れている場所や頻度を把握することで、車の運転をやめた後はどうやって外出するのか、例えばバスやタクシーなどを利用するのか、ご家族が送迎するのかなど考えておくことができます。

「Ever Drive」は65歳からの利用が理想的

高齢ドライバー見守りサービス
Q:「Ever Drive」はどのような方を想定されたサービスになりますか。

櫻井:「Ever Drive」は「65歳を超えたら、あんしんの見守り運転」というキャッチコピーでリリースしました。
65歳はまだまだお元気な方が多い年齢ですので、安全な運転ができる状態からデータをとり始め、危険な運転が起こるなど運転に変化が見られたときに対処できるように、という想いでつくりました。
ただ、実際には後期高齢者といわれる70代後半から80代の方のご利用が中心で、中には90代のご利用者もいらっしゃいます。

運転に不安がある方とその方を見守るご家族のご利用例として、高齢ドライバーの方以外にも、免許を取り立てのお子さまや障害者の方が乗る車に、ご家族がつけているケースなどもあります。

後編では引き続き、「Ever Drive」による高齢ドライバーの運転への効果や反響、今後の課題などについて伺います。

<プロフィール>
オリックス自動車株式会社
リスクコンサルティング部 テレマティクス相談デスク
課長
中村健太郎

2000年入社。自動車リースの法人営業を経て、マイカーリースや中古車リースの商品開発に携わる。自動車リースのECサイトやSNSの構築など、Webマーケティングにも従事。2016年より現部署にて、Ever Driveなどのテレマティクスサービスの商品開発を担当。

オリックス自動車株式会社
リスクコンサルティング部 テレマティクス相談デスク
櫻井泰崇

2003年入社。自動車リースの法人営業や、オリックス株式会社の投資銀行本部にてM&A等の業務に従事した後、カーシェアリング部で法人・個人の会員獲得営業および、マンション向けカーシェアサービス導入営業に従事。2016年より現部署にて、Ever Driveなどのテレマティクスサービスの商品開発を担当。

オリックス自動車
https://www.orix.co.jp/auto/

Ever Drive
https://orix-everdrive.jp/

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