【後編】日本郵便と連動!認知症・発達障害などの方の道迷いや遺失物発見ツール!「おかえりQR」とは『高齢化社会のお守り代わりとして浸透するサービスに〜株式会社昭文社〜』

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地図や旅行ガイドブックを手掛ける昭文社では、認知症などの高齢者の迷子の発見を支援するツール「おかえりQR」を展開しています。前編では開発の背景や商品の概要などについてお聞きしました。

後編では引き続き、「おかえりQR」を郵便局で販売している理由や利用者からの反響などについて、株式会社昭文社 ソリューション事業統括本部 おかえりQR事業推進チーム マネージャーの池田有作氏に伺いました。

地域とつながる郵便局で「おかえりQR」を販売

Q:「おかえりQR」は郵便局から販売をスタートさせたとお聞きしていますが、郵便局で販売されている理由を教えてください。

A:郵便局は地域に密着しており、郵便局で販売することで、こういった商品があることを対面で説明して販売してもらえるのではと考えました。それから、郵便局長や郵便局員の方は地域にお住まいの家族をご存知であったりします。家族の認知症による徘徊でお困りの方がいれば把握されていることもあるため、おすすめしていただけるのではと仮説を立てました。

そこで、日本郵便に話を持っていったところ、商品の企画に共感していただき、郵便局にて取り扱っていただけることになりました。

Q:「おかえりQR」はどちらの地域の郵便局で取り扱っているのでしょうか。

A:2018年の10月末から、まずは川口市や蕨市など埼玉県南部の99の郵便局で試行販売をスタートしました。5ヵ月間程度、使い勝手などを試していただいて、商品の改善を行っています。

2019年の7月末から東京都の郵便局で本格的に販売を開始しました。
9月から神奈川県と山梨県、10月末から埼玉県と千葉県、茨城県、栃木県、群馬県でも取り扱うようになり、関東一円の約4800局で取り扱っていただいています。

郵便局の販売エリア以外からもお問い合わせをいただいているため、Amazonと楽天でネット販売も行っています。

使いやすさや強度に配慮して仕様を模索

おかえりQR
Q:「おかえりQR」を開発されるうえで、何か苦労されたことはありますか。

A:適切な仕様を導きだすのに思考錯誤しました。特に、商品のサイズと粘着力の面ですね。
当初は手帳の幅程度のサイズでもつくっていましたが、「ここまで大きいものはいらない」という声がありました。しかし、一方で「ある程度大きさがなければ認識されにくい」という意見もあり、現在のサイズに落ち着いています。

また、杖メーカーから「おかえりQR」とコラボレーションしたいというお話があり、杖に「おかえりQR」をオプションでつけた商品を販売することになりました。しかし、「おかえりQR」は平面では読みとれますが、曲面になると試作品では読みとりづらいこともあったため、QRコードのサイズを試行錯誤しました。

粘着度の面では、粘着度が弱いとすぐとれてしまいますが、粘着度が強すぎると剥がそうとしたときに、接着面の素材が壊れるという問題があり、適切な粘着力を見極めるのに時間がかかりました。

「おかえりQR」の認知の拡大が家族の安心へ

おかえりQR
Q:「おかえりQR」の今後の展開として考えていることはありますか。

A:もともとは高齢者向けに開発した商品ですが、お子様の持ち物に貼る方も多いです。
自分の子どもが台風や地震などの災害に遭ったときに、避難所に避難しているのか、特に共働きの家庭では不安かと思います。そんなときにも、「おかえりQR」を学校の先生や保育士さんが読み取ってくれることで、親が「うちの子どもはこの避難所にいる」とわかります。
キッズ向け、あるいは防災向けのインターフェイスも開発していきたいと考えています。

Q:最後にお伝えになりたいことはありますか。

A:「おかえりQR」の利用者の方からは、「商品としてはよいけれども、一般の方に認知度が広まればもっと安心感が増す」という声があったのも事実です。警察機関への周知はもちろんですがが、一般の方への周知ももっと行っていく必要があります。「おかえりQR」を身につけた方がお困りになっているのを目にした方が、QRコードを読み取ってあげると、家族に連絡がいくことをもっと知っていただければ、家族の安心感が増すと思います。

「おかえりQR」の存在を認知症の高齢者の徘徊などで困っている方に伝えるだけではなく、今後は一般の方にももっと広めていきたいと考えています。

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高齢化社会が進行していくなか、認知症の患者は今後も増加していくことが予想されています。「おかえりQR」のように認知症の方や家族を誰もが支援しやすいサービスは、今後ますます求められる時代がやって来るでしょう。

<プロフィール>
株式会社昭文社
ソリューション事業統括本部
おかえりQR事業推進チーム
マネージャー
池田有作

2003年 株式会社昭文社に入社
デジタルコンテンツ営業部門にて、地図データや旅行ガイドコンテンツを商材に、法人営業、営業企画、アライアンス企画営業に従事。2014年から事業戦略室にてインバウンドビジネス『DiGJAPAN!』の立ち上げに携わり、訪日外国人旅行者の誘客促進、地方創生プロモーションを推進。現在は、スタートアップ事業『おかえりQR』を立ち上げ、新たな領域にチャレンジしている。
趣味は、ゴルフ、旅行。

株式会社昭文社
https://www.mapple.co.jp/

おかえりQR
https://www.mapple-search.biz/

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