骨太方針で健康インセンティブを強化!健康寿命を延ばして持続可能な社会保障制度に!

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健康インセンティブ
2019年5月31日。政府は経済財政諮問会議で、2019年の「骨太方針」の骨子案を提示しました。
その中でも一際目を引いたのが「全世代型社会保障への転換」です。これは、全ての世代に健康や介護に対しての意識を強く持ってもらい、人生100年時代とも言われる現代において、健康のまま老後を過ごせる状態、すなわち健康寿命の長い国をつくろうという政策になります。
健康インセンティブの強化も提示されており、国や地方、そして企業においても、健康への意識を高める努力を促す内容となっていることを考えれば、今後の展開が気になるところではないでしょうか。今回の骨太方針の内容を含め、健康インセンティブの内容、また、実際に取り組んでいる地方や企業例を取り上げて紹介していきます。

健康インセンティブとは何か?

健康インセンティブ
健康インセンティブという言葉を聞いてもピンとこない人は多いでしょう。
「インセンティブ」とは簡単にいうと「目標を達成した際にもらえるボーナス」のようなものになります。今回、骨太方針2019では、個人一人一人に対し、この健康インセンティブを周知させ、取り組ませることで、全世代に対し、健康への意識を高めてもらい、健康寿命を延ばしていこうという考えです。
これは言い換えれば「自らの健康は自らがつくる」という考えを定着させることで、病気や介護とは無縁と考えている層にもアプローチをかけ、目標を達成できた人には、国や地方、企業などからインセンティブが与えられるという仕組みになります。

健康インセンティブとして目標を達成した場合、いったい何がもらえるのかというのは気になるところですが、現在、既に健康インセンティブとして実施されている取り組みは「表彰」や「ヘルスケアポイント(物品と交換可能)」の進呈といった内容になっています。

健康インセンティブは必要なのか?

健康インセンティブ
そもそも「健康インセンティブというものが必要なのか?」ということですが、現在、自分自身の健康に関心の低い「健康無関心層」が多く存在するという事実が背景にあります。

医療機関や医療技術の発達により、今や日本は「人生100年時代」ともいわれるようになりました。しかし、人生が100年であっても、自由に体を動かせて活き活きと過ごせる健康寿命は100年とは限りません。健康に関心の低い「健康無関心層」の人であっても、病気になった場合、医学的な処置を施せば」回復は見込まれます。しかし、医療費がかさめば、それだけ国の社会保障費を圧迫します。超高齢化社会を迎えることもあり、政府としては、できるだけ健康な状態で老後を過ごしてもらい、社会保障費を抑えたいという考えがうかがえます。

そして、そのためには現在の高齢者や中年世代のみならず、若年層から子供に至る「全世代」に健康への意識を高め、日々の生活の中で健康を意識した取り組みを実行してもらいたいという結論になります。しかし、単純に「健康に気を使い健康寿命を延ばしましょう」と訴えても、「健康無関心層」への効果はさほど期待できません。そのため、健康インセンティブには報奨を与えることにより、個人の健康への取り組みや強化を促す狙いがあるといえます。

健康インセンティブをどのように周知させていくのか?

健康インセンティブを国民に広く周知させ、実践させるためには、個人の健康情報をわかりやすく提供したり、インセンティブの評価方法や提供方法も考えたりする必要があります。これに関しては、既に厚生労働省が2016年に「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取り組みに係るガイドライン」を発表しており、今回の骨太方針2019も、このガイドラインに沿った流れで展開されると予想されます。

そこで、政府は健康インセンティブや健康寿命への意識を高める情報提供の方法として、ICT「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の活用を視野に入れています。ICTというのはインターネットを利用した情報伝達コミュニケーションのことで、個人のスマホやタブレット、会社で使用しているパソコン等に、自身の健康診断の結果などを送付し、意識を高めてもらうことを目的としています。

情報提供の際には、単純に検診結果だけを送付するのではなく、視覚的にわかりやすいグラフやチャートを摂り入れ、数値の意味をわかりやすく解説し、現状から考えられる健康維持方法や病気リスクを軽減させるための個別アドバイスを送るなどの方法が挙げられています。

健康インセンティブの事例を紹介

健康インセンティブや健康寿命に関しての意識を高めるために、地方自治体や民間企業では健康インセンティブに取り組んでいる実際の事例などを紹介し、健康インセンティブでお得なサービスが受けられるというメリットを、国や地方の広報誌などで紹介していくという取り組みも考えられています。
また、地域への広報を徹底的に行ったところ、健康インセンティブ事業の参加者が定員の5倍以上集まり、参加者の多くが「口コミ」でやってきたという事例もあります。

健康インセンティブや健康寿命といった取り組みや言葉は、全くの健康無関心層以外でも、なかなか簡単には意識ができません。しかし、健康インセンティブの事例を紹介するなど、メリットを上手に伝えることができれば、大きな成果が期待できるとも考えられます。

静岡県の健康インセンティブ取り組み事例

地方自治体による健康インセンティブの取り組み事例を挙げると、静岡県では、「ふじのくに健康長寿プロジェクト」と称し、健康寿命日本一を目指し、健康インセンティブに取り組んでいます。内容は以下のようなものです。

1・特定健診データに基づき市町の健康づくりを支援する「健康長寿の研究」
2・働き盛り世代(40~64歳)を対象に健康づくりを支援する「ふじ33プログラム」
3・健康インセンティブ付与で優れた企業を表彰する「企業表彰制度」
4・個人が健康づくりを行うことで日常生活での特典が得られる「健康マイレージ事業」

静岡県では、この4つを中心とした健康インセンティブ事業に取り組んでいますが、最初から順調だったわけではなく、開始当初は、企業への配慮や事業の意義を訴え続けてきたといいます。
これが功を奏して健康インセンティブ事業は軌道に乗り、平成28年には健康マイレージ協力店舗数は2300ヶ所まで増加している状況です。また、特典付与を受けるためのカードである「健康いきいきカード」を取得している住人は19000名に上っています。

同様の事業を展開している地方自治体や企業も少しずつ見られ始め、健康寿命、健康インセンティブという言葉も、ゆっくり、確実に広まっていく傾向にあるのは間違いないと考えられます。

人生100年時代とはいっても、健康寿命が損なわれては意味がありません。今回、国が提示した健康インセンティブ等を利用することで、実りある老後を過ごす準備を考えることも重要なことといえるでしょう。

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