【後編】高齢ドライバー見守りサービス「Ever Drive」とは? 専用車載機搭載により家族に通知『運転を見守ることで得られる効果とは〜オリックス自動車株式会社〜』

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高齢ドライバーによる事故が社会問題となっているなか、オリックス自動車株式会社では高齢ドライバー見守りサービス「Ever Drive」を展開しています。前編では開発の背景やサービス内容について伺いました。
後編では引き続き、オリックス自動車株式会社リスクコンサルティング部テレマティクス相談デスク 課長の中村健太郎氏と櫻井泰崇氏に、「Ever Drive」による高齢ドライバーの運転への効果や反響、課題などについて取材しました。

客観的に高齢ドライバーの運転状況を把握

Q:「Ever Drive」の利用によってどのような効果が期待できるのでしょうか。

櫻井:「Ever Drive」によって、ドライバーの安全運転に対する意識を変えることが期待できます。「Ever Drive」のもとになった、法人向けサービスの「e-テレマ」では、急加速・急減速・速度超過という3つの危険運転の発生回数が大幅に低減したという実証データがあります。

それから、「Ever Drive」を取り付けることで、ご家族で客観的なデータにもとづいて話し合うことができます。高齢ドライバーの運転を巡る問題は感覚的な話になってしまいがちです。ご家族が「年をとったから運転するのは危ない」と注意したことに対し、ご本人は「まだ大丈夫」と反発して、衝突してしまうケースは少なくありません。

「Ever Drive」はWEB画面で運転状況を把握したり、危険な運転をしたらメールが来るといった機能がありますので、週1回、月1回、あるいは数ヵ月に1回といった間隔で、ご家族内で話し合いをしていただくきっかけになればと考えています。2019年からは半年に1回、運転レポートを郵送しています。運転が危なくなってきたときに対策を考えるだけではなく、危険な運転が減っている場合に褒めていただくことにも使っていただきたいです。

中村:自動ブレーキや踏み間違え防止装置をなどの安全装備を装着することは非常に重要です。しかし、安全装備が作動した履歴はわかりません。そもそも頻繁にブレーキとアクセルの踏み間違えをするようなドライバーは、なるべく早く運転をやめるように促す必要があると考えます。

一方で、世間では高齢になったら運転はやめた方がいいという風潮がありますが、ご家族が親御さんに免許を返納させるまでには、非常に強い悩みや葛藤があると思います。日常生活の問題を含めて簡単に決められることではありませんので、ご本人や家族が運転状況を把握し、ドライバーの尊厳を守って納得感を持って適切な時期に卒業するべきだと思います。

Q:そのほかに見守りツールとしての効果はありますか。

中村:私どもも自分の親の車につけています。いざとなったときにどこにいるかわかるなど、つけている安心感があります。毎日、運転していたのに昨日運転していないと、「どこか具合が悪いのか」など、体調の変化にまで気づくことができます。また、旅行などで長距離の運転をしたときにも、ちゃんと無事に着いたことがわかるなど、様々な場面で活用できます。「Ever Drive」は、車という重要な移動手段を通じて、離れて暮らす親をそっと見守るツールにもなると考えています。

納得感を持って車を卒業するためのツールに

高齢ドライバー見守りサービス
Q:実際にはどういったタイミングで「Ever Drive」を取り付けられる方が多いのでしょうか。

櫻井:「Ever Drive」を取り付ける際に多いタイミングは二つあります。一つは事故の報道によるものです。今年も残念ながら東池袋や大津で高齢ドライバーによる痛ましい事故が起きましたが、そういった報道を見たときにこれまで他人事であった事故を自分事として捉えるきっかけになり、ドライバーもその家族も運転について考える機会になっています。

もう一つは免許の更新のタイミングで、70歳を超えてから、「これ(=Ever Drive)をつける代わりに免許更新しよう」とお子さまから提案するケースが多いです。「これをつけて安全運転ができているかをチェックさせてよ」あるいは「お父さんが心配だから、運転を見守って長く運転してもらえるようにしたいんだよ」と話し合いをして、取り付けられるパターンが多いようですね。

Q:「Ever Drive」の利用者からの反響はいかがでしょうか。

中村:実際に利用している方からは「父が安全運転になりました」といった声もありますが、見守りによって「免許返納することになりました」という声をいただくことが多いです。「運転状況を把握することでお互いに納得して免許を返納することになった」「こういうサービスに出会えてよかった」といわれると感慨深いものがあります。

Q:無理やり車の運転をやめさせられたと感じるのと、納得感を持ってやめたのでは、その後の家族の人間関係も変わりそうですよね。

中村:「Ever Drive」を活用されている方は、親御さんが運転をやめることに対して安心感を得る反面、子どもの頃から親と車で出掛けた想い出などを思い出し、寂しい気持ちになる方が多いようです。中には親御さんに感謝状を自作された方もいます。

高齢ドライバーの運転を見守ることの重要性を広めていく

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Q:「Ever Drive」の展開で課題と感じられている点はありますか。

櫻井:自動ブレーキなどの車に搭載される安全装備と比較して、「EverDrive」を利用して得られるメリットを理解していただきにくいことが課題です。対面で説明するとご理解いただきやすいのですが、WEBサイトや資料請求など非対面での紹介では、どういったサービスなのか理解されにくいです。サービスの認知を進めるともとに、目的や意義をわかりやすくお伝えしていきたいと考えています。

Q:高齢ドライバーに向けて展開を予定されていることはありますか。

中村:弊社では、岡山県と共同で、2018年から高齢ドライバーのモニタリング事業を行っています。Ever Driveを提供する企業として、高齢ドライバーの運転を見守ることや、今後の運転について考えていくことの重要性を広めていきたいと考えています。

<プロフィール>
オリックス自動車株式会社
リスクコンサルティング部 テレマティクス相談デスク
課長
中村健太郎

2000年入社。自動車リースの法人営業を経て、マイカーリースや中古車リースの商品開発に携わる。自動車リースのECサイトやSNSの構築など、Webマーケティングにも従事。2016年より現部署にて、Ever Driveなどのテレマティクスサービスの商品開発を担当。

オリックス自動車株式会社
リスクコンサルティング部 テレマティクス相談デスク
櫻井泰崇

2003年入社。自動車リースの法人営業や、オリックス株式会社の投資銀行本部にてM&A等の業務に従事した後、カーシェアリング部で法人・個人の会員獲得営業および、マンション向けカーシェアサービス導入営業に従事。2016年より現部署にて、Ever Driveなどのテレマティクスサービスの商品開発を担当。

オリックス自動車
https://www.orix.co.jp/auto/

Ever Drive
https://orix-everdrive.jp/

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